忘れられない温もり | stella d'argento /silver star

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銀星は瞬き、遥か彼方をも照らす。



その年の冬はとても寒かった。



気温が低かったが為に寒かったわけではないのに



いつも凍えていた。







遠いその場所から届く



日々紡がれる物語が



暖炉の火のように暖かだった。



マッチを擦って現れる火のように。







幻ではない と確かめられたのは



自分とよく似た猫が登場する物語。






きゅぅ  と悲鳴にも似た声が出たと思ったら



予想もしない勢いで止め処なく溢れてしまった。






『 大丈夫だよ 』 と言われたような気がした。








真綿のような優しさと



泉が湧き出すような静けさで



疲弊した心を包んでくれたことを



今も変わらず覚えています。