思い込みシェフ 30 | ライフ イズ ビューティフル 8

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80年代へタイムスリップ!

前回は、こんなことを言ってました(^^)

思い込みシェフseason1  思い込みシェフseason2


学園祭が終わり・・・余韻に浸る?こともなく、

私は、普通に厨房内でフライパンを振っていた。

マユミちゃんの仕事ぶりはあいかわらず。

ミキちゃんも負けず劣らずであった。


店内は、この日も回転と同時に盛況であり。


(ノ´▽`)ノ


ホントのことを言うと、いつも思うのだが・・・

これは!この盛況ぶりは?どういうことなのか??


やはりこの店の評判?味もスタッフも良いからであろう!

そうだ!そうに違いない!


y( ̄ー ̄)y


・・・とまぁ勝手にそう思い込みながら(笑)

私は1号と、とおされたオーダーを黙々とこなしていた。



ランチタイムは、午後2時を過ぎると、ひと段落することがほとんどである。

ただ、土日はそうでもない。

マユミちゃんとミキちゃんがバイトに来るのは、平日の夜と土日がほとんど。

もちろん、学生なので当然のことであるが・・・。

この日は何故か?平日だというのに昼間から店に入っていた。

私は特に理由は聞かなかったが、何らかの理由で大学が休みなんだろう・・・。


ランチタイムを過ぎると、スタッフはそれぞれに交代で休憩に入る。

合わせてスタッフの昼食を準備しなければならない。

もちろん、その昼食、賄いをするのが私と1号の仕事でもあり、

今日も、厨房内にあるもので賄いを作った。


最初に休憩をすることになったのが、マユミちゃんであった。


「そういえば・・・今日はマユミちゃんと一言も話をしていないな・・・」


それは当然のことで、朝から店はとても忙しかった。

朝は、モーニングタイムで色々と忙しかったし

ランチタイムはそれはそれで忙しかった。

正直なことを言うと、私は今日はこの時間にもかかわらずクタクタであった。


「チーフ!」


オーナーに呼ばれる。


「はい」


「チーフもついでに休憩とりな」


なんていうか・・・オーナーの心意気?

私の気持ちを察してかどうかは分からないが・・・

いや、そこまで深くはないな。

ただ単に、少し店が暇な時間帯になっただけだろう。

マユミちゃんと一緒に休憩をすることになった。


「チーフ?なんか作ったげようか?」


1号が言ってきたが・・・

どうも1号の料理の腕は信用できないので、私は断ることにした。

奴はあくまでも、私の中ではアシスタントである。

フライパンを握るなんて10年早い!


(`(エ)´)ノ_彡


ということもあるが、それ以前に食欲がなかったということもある。


「卵かけごはんでもするか・・・」


私はそう思い、ごはんの上に卵をのせて準備をし、

マユミちゃんと一緒に昼食をとることにした。


マユミちゃんは驚く!


「どうしたん?」


「何が?」


「それ?卵かけごはん?」


「あぁ・・・これでええねん」


「へぇ~ (^m^)」


昼間から卵かけごはん?というのも変な感じであるが、

今の私にとってはちょうど良い。


「そういえばチーフ?」


「何?」


「どこかの地鶏の卵って?黄身がお箸でつかめたりするんだよね?」


「あぁ・・・」


「この店の卵、その卵はどうなの?」


「ははは(笑)」


「何?何?」


「知ってる?卵ってね、どんな鶏であっても、新鮮ならお箸でつかめるんだよ」


「!?」


「ようは、産みたての卵・・・

 養鶏場とかで、その日に手に入れる卵は、大抵はお箸でつかめるよ」


「!?」


「地鶏だからとか、ブランド鶏だからということではないんだよ」


「そうなの!?」


「TVにダマされたらダメね~」


「地鶏でも日が経つと、つかめなくなるよ」


「へぇ~」


「でもねぇ・・・」


「?」


「ぶっちゃけ、このように生で食べたら味の違いは分かるけど・・・」


「!?」


「焼いたり加工したり・・・正直、卵焼きにしたら違いなんて分からんわ」


「あはは(笑)」


何気ない会話であったが、なんだか幸せであった。

そして、この前の学祭でのことも気になっていたので切り出してみた。


「そうそう、マユミちゃん」


「何?」


「今日?店終わった後・・・」


「!?」


「お茶でも飲みにいかない?」


お茶でも飲みにいかない?というのは女の子を誘う鉄板の言葉であった。


・・・。


・・・。


って!? 私はいきなり何を言い出すのか!?


((>д<))


心のどこかで・・・

マユミちゃんを、どこかへ誘いたいという気持ちがあったのだろう・・・。

ついつい勢い?何故か?勢いで口から出てしまった!

時々私は頭の中で、ちゃんと考えないで言葉を口にしてしまうことがある。

まったく、悪い癖だ!


「あはは(笑) いきなり?どうしたの?」


「いやぁ・・・」


なんだか腑がいない・・・

それよりも究極に恥ずかしい!


(///∇//)


私は、もはや顔がユデダコだ!


「いいよ」


「え!?」


「いいよ♪」


(//・_・//)


わっ私は!なんて幸せ者なのだ!もうどうにでもなれ!



そう思ったと同時に、遠くから声が聞こえてきた。

何やら・・・独り言をいっているようかの・・・


( ̄□ ̄;)


いや!違う!


オーナーが電話していたのだ!

電話の相手と話している。


「えぇ・・・そうなんか・・・」


「あぁ、分かった。しゃーないな」


なんだかよく分からないが、

オーナーにとっては仕方のないことなんだろう・・・。


「チーフ!」


オーナーが私を呼ぶ・・・なんだぁ?


「チーフ、電話や!」


「はい?」


Σ(゚д゚;)


私に電話???どういうことだ???


「タエちゃんからや!」


((゚m゚;)


私は驚いた!タエちゃんだと!


「タエちゃん、バイト辞めるって・・・」


な!?なんという・・・あ!?・・・当たり前か・・・。


「とりあえず、タエちゃんから電話」



31へつづく