ニット帽の男 ⑥ | ライフ イズ ビューティフル 8

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これまでのお話 (^^)

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⑤からのつづき


私の会社には変な男がいる・・・。

といっても、私がそのように思っているだけなのかもしれない・・・。


その男の名を、私は 『ニット君』 と名付けた。


何故かと言うと、その男は毎日、ニット帽をかぶって出勤してくるからである。

寒い季節なら当たり前かもしれない。

しかし、ニット君は、年中ニット帽をかぶっているのだ。

しかも、耳まで覆いかぶさっている。


ニット君が、駐車場に入ってきた。

さすがの私も驚いたが・・・ (((゜д゜;)))

相手にせず、先を急ぐことにした。


そして私は、店内に入った。


「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

「あ、予約していた○○ですけど」

「こちらです。どうぞ」


私は、席を案内され、座っていた。


しばらくすると、ニット君もこの店に入ってきた。


「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

「トイレどこや?」


Σ(゚д゚;)


な!会話になってないではないか!

何名か?と聞いているのだ!トイレなんか後にしろ!

私は思った。

「ニット君は、人の話を聞かない男なのかもしれない・・・」


しばらくすると、ニット君がトイレから出てきた。

店員がニット君に話しかけようと、動きかけたが・・・


「おぉ!こっちや」


どうやらすでに、ニット君のツレが、この店に来ていたようである。

ニット君は、店員を振り切り、スゥ~とその席についた。

そして、宴が始まったのである。


そこは、私の席から、少し離れた席であった。


私の方も宴が始まった。

ニット君のことも、少し気になってはいたが、

酔いもまわりはじめ、どうでもよくなっていた。


( ̄ー ̄) ニヤリ。。。。


相手になると、どうせまた、あの気持ち悪い笑いを、浮かべられる。

酒がマズくなるのもイヤなので無視をしていた。


しかし、私は、この後、とても恐ろしい事件に巻き込まれた!


宴の途中、私はトイレに行きたくなった。

そして席を立とうとすると、なんとニット君が先にトイレに向かっていた。

顔が真っ赤・・・チドリ足・・・フラッフラ~ではないか! 


(゜ρ゜) ~。 ~ 。。~ ~ ~。。


「エエ調子やな・・・ちょっと待つか・・・」

そう思いながら、私は、トイレが空くのを待つことにした。


だが・・・


「・・・」


「・・・」


「・・・」


(-""-;)


「長い!」


ニット君は、いつまでたってもトイレから出てこないのだ。

なんて長いトイレなんだ!

いったい、どれだけ体内に溜めていたんだ!


「まてよ?」

トイレで酔いつぶれているのでは???

そう、思い・・・店員に確認してもらおうと思った矢先・・・


ガチャッ!


トイレのドアが開き、ニット君が出てきた。

フラッフラ~である。


(゜ρ゜) ~。 ~ 。。~ ~ ~。。


とりあえず、この場はよかったと思い、私はすぐにトイレに向かった。

私の体内にも、かなり溜まっていたのだ。


「急ごう!」


しかし、トイレに行くと、私は、どうしようもない無念さに包まれた!


Σ(゚д゚;)


なんと!スリッパがないのだ!

この店のトイレはスリッパに履き替えて入るタイプ。


スリッパがないのだ!


どういうことだ!

このままでは、私は、トイレで用をしたくても出来ない・・・。


いったい!どういうことなんだ? Σ(゚д゚;)


そう思いながら・・・ふと見ると、足元に誰かのシューズが置いてあった・・・


( ̄□ ̄;)


私は、現状を理解するのに、そんなに時間がかからなかった。


なんて、男なんだ! 完全に酒に飲まれている!

トイレのスリッパで、席に戻って、悠々とビールを飲んでいる。

いったい、どんな神経なのか・・・。


それよりも、私はこの先、どうしたら良いのだ。


こんなところで・・・おもらし・・・

いや、ダメだ!ここで、恥をさらすわけにはいかない。

土足で入るか・・・いやそれはやっぱりダメだ!

社会人としてルールは守らなければ。

しかし、ガマンも限界きている・・・


漏れる。。。 (。>0<。)


ニット君は、トイレのスリッパを履いて盛り上がっている。


漏れる。。。 (。>0<。)


ガマンも限界にきている・・・


漏れそうだ。。。 (。>0<。)



「すいません~」


ニット君は店員を呼んだ。


「生ビールひとつ」

「はい、よろこんで!」


よろこべない! 全然、よろこべない!



「すいません~」


私は店員を呼んだ。


「トイレのスリッパないんですけど、このまま入っていいですか?」

「あ、大変申し訳ありません。どうぞ。後で用意しておきます」


私は用を済ましてから思った・・・

店員は何も悪くない。

悪いことなんてしていない。

悪いのは、酒に飲まれたニット君である。



(゜ρ゜) ~。 ~ 。。~ ~ ~。。


宴は続いていた・・・

私自身も、楽しく過ごしていた。

そして時間が経ち・・・いよいよ、今日の宴もお開きの時間となった。

ニット君御一行は、おあいそを始めたのである。


そして、足元を見ると・・・ニット君はトイレのスリッパのままであった。


( ̄□ ̄;)


なんて男なんだ!

気づかないものなのか?


「誰か!教えてやれ!」



ニット君は、支払いを済ますと、

そのまま店を出て、もう夜も深い・・・暗闇の中へ消えていったのである。


私は思った。

自分で、車を運転してきたはずなのに・・・どうやって帰ったのか・・・


そして、残されたシューズの運命はどうなるのか・・・


私には分からない。

謎は増えるばかりだ。



トイレには~♪ それは~♪ それはキレイな~~♪


ひとつ言えることは 『トイレの神様』 は、きっとニット君に罰を与えるだろう。
そしてニット君は、ベッピンさんには、絶対になれないと確信している。