マネーハンドラー ロックフェラーの完全支配 アグリスーティカル(食料・医薬)編(ウイリアム・イングドール著、為清勝彦訳、2010年、徳間書店)

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ワシントンとWHOは季節性の通常のインフルエンザを軽減する「かもしれない」薬として唯一利用可能な薬としてタミフルを売り込んでいたが、そのタミフルはスイスのロシェが製造のライセンスを保有していた。米国などのマスコミが鳥インフルエンザについて警告し、人から人に感染する危険が高いという話を広めると、ロシェ社には注文が舞い込んだ。

タミフルはカリフォルニアのギリアドサイエンスが開発し特許を取得し、大統領の親友ラムズフェルドが国防長官になる前、1997年にこの会社の役員会の議長をしていた。ラムズフェルドは以来、国防長官になる2002年初めまでギリアドサイエンスの会長の座にいた。

2004年11月、ラムズフェルドが国防長官をしていたとき、彼の健康問題担当補佐官が、鳥インフルエンザに関する指示を出した。その指示文書には、「病気に対処し予防するためにオセルタミビン(タミフルのこと)が使用されることになる。H5N1はオセルタミビンに反応しやすいことが証明されている。しかし、その供給量は世界的に極めて限定されており、優先順位を付けて使用されることになる」とある。この国防総省の指示文書は、世界中の政府をパニックに陥らせ、タミフル購入に殺到させた。確証のない情報ではあるが、ラムズフェルドが国防長官をしていたときに、彼は前に働いていた会社(ギリアドサイエンス)の株を1800万ドル買い足し、同社の大株主(最大珠主かもしれない)になったど言われている。本当に鳥インフルエンザに効能があるのか不明な薬を買おうと世界の人々が争奪戦をしている中で、ラムズフェルドは特許使用料とギリアド社の株価上昇で財産を築く立場にあった。