MET Gala 2023


今年もやって来た!年に一度のファッションの祭典MET Gala(メット・ガラ)の2023年のテーマは惜しまれながらも2019年に他界したファッション界の重鎮カール・ラガーフェルドに捧げる『Karl Lagerfeld: A Line of Beauty』(カール・ラガーフェルド:美のライン)。


シャネルのデザイナーとしても名を馳せたカール・ラガーフェルドのレガシーを称えるため、シャネルを想わせるモノトーン、ツイード、パール、フラワー(カメリア)モチーフなどで着飾る出席者が多かった今年のMET Galaでセレブたちが見せたスタイルを着用ブランドと共にまとめてチェック凝視





Anne Hathaway in Atelier Versace

シャネルを想わせる真っ白なツイード生地のドレスで登場したのはアン・ハサウェイ。このドレスはAtelier Versace(アトリエ・ヴェルサーチ)がカスタムで手がけたもので、無数に飾られたゴールドやパールの「安全ピン」がアクセントを添えるエッジの効いたデザインは、カール・ラガーフェルドとドナテラ・ヴェルサーチの美の価値観とシグネチャーを融合したものだそう。

アンのために450時間以上をかけてすべて手作業で仕立てられたというこの特別なドレスとお揃いのジャケットには、60年代風のボリューミーなアップドゥの髪型とBvlgari(ブルガリ)のジュエリーを合わせてゴージャスなレトロエレガンスを体現したスタイリングに♥️



Margot Robbie in Chanel Vintage

もちろん今年のMET Galaではカール・ラガーフェルドがデザインしたシャネルのヴィンテージドレスに身を包んだセレブが多かったけれど、『バービー』の公開が控えるマーゴット・ロビーもChanel(シャネル)のヴィンテージのブラックドレスでレッドカーペットに登場♥️

先ほどのアンと同じようにシックながらもチラッと肌を覗かせたセクシーなカットアウトが女性らしい魅力を引き立てるこのドレスは、1993年の春オートクチュールコレクションからのもの。ドレスを飾るジュエリーもシャネル。



Jared Leto in Karl Lagerfeld

今年のMET Galaでナンバーワンの話題をさらったルックといえば、この大きな「白猫」の着ぐるみ。中身は奇抜なMET Galaルックが毎年話題になるオスカー俳優のジャレッド・レトで、この特注の猫の着ぐるみはデザイナーズブランドのKarl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)が仕立てたもの。

でもジャレッドは「ただ単に個性的だから」という理由で猫に扮したわけじゃなく、このルックはラガーフェルドの愛猫で今年のMET Galaにも招待されていたという「シュペット」にインスパイアされたものだそう。

ジャレッドの着ぐるみの下の服装はコレ。



Doja Cat in Oscar de la Renta

じつはカール・ラガーフェルドの愛猫シュペットに扮したのはジャレッドだけじゃなく、こちらはハリウッド映画ばりの見事な特殊メイクで猫に変身したラッパーのドージャ・キャット。

猫耳のフードとスカート裾の純白のファーのヘムで「白猫」を表現した、まさにドージャ・「キャット」のための一枚といえるこのキラキラ煌びやかなドレスはOscar de la Renta(オスカー・デ・ラ・レンタ)が仕立てたもの。ドレスの輝きをさらに盛り上げるジュエリーはMessika(メッシカ)



Jeremy Pope in Balmain

グラミー、エミー、トニー賞にノミネートされた経験がある『POSE/ポーズ』の俳優ジェレミー・ポープは、メトロポリタン美術館の大階段を覆い尽くす10メートルの長さのシルクシフォンのケープにカール・ラガーフェルドの巨大な肖像画が描かれたカスタムルックでMET Gala 2023に降臨♥️

まさにラガーフェルドへの愛が溢れまくって止まらないこのルックを手がけたのはBalmain(バルマン)。ネックレスはCartier(カルティエ)のもの。


Olivier Roustein in Balmain

では一方で先ほどのルックをデザインしたBalmain(バルマン)のデザイナーのオリヴィエ・ルスタンはというと、ツイードジャケットやパールのネックレスにキルテッドバッグ、指なしの革手袋などでシャネルとラガーフェルドへの敬意を表しつつも、そのトートバッグには「カールって誰?」と強烈なディスにもとれる文字が書かれたブランドのカスタムルックを披露。

この侮辱的にも聞こえる一文は、ファッションデザイナーとしての多大な功績が評価されていながらも、生前は女性モデルに対するボディーシェイミング(体型批判)や#MeToo運動の批判、人種差別的な発言などが物議をかもしていたカール・ラガーフェルドへのジャブである可能性も...?



Harvey Guillen in Christian Siriano

今年のMET Galaでメンズのナンバーワン着こなしとの呼び声が高いのが、俳優のハーヴィー・ギレンが身にまとったこのChristian Siriano(クリスチャン・シリアノ)の桜ような淡いピンクのカラースーツ。

ツイードとお花(これはカメリアではなくバラだそう)のモチーフでシャネルに敬意を表したこのルックには、パール専門のジュエリーブランドMR. PURL(ミスター・パール)のネックレスとChristian Louboutin(クリスチャン・ルブタン)の黒のシューズを合わせてコンプリート♥️

ちなみに今年のMET Galaで白と黒などのモノトーンに次いで人気のカラーだったのが春に取り入れたくなる「ピンク」なのだけれど、じつはカール・ラガーフェルドはピンクがあまり好きではなかったそう。

生前は物議をかもす発言も多かったラガーフェルドをMET Galaのテーマに据えることには開催前から賛否両論があっただけに、それでもイベントに参加したセレブの中には(もちろん偶然の場合もあるけれど)あえて「ラガーフェルドの嫌いな色」に身を包むことで抗議の意を示す人も多くいたよう。



Viola Davis in Valentino

そしてまさにラガーフェルドへの嫌がらせかのような鮮やかなショッキングピンクのValentino(ヴァレンティノ)のドレスを着こなしたのがオスカー女優のヴィオラ・デイヴィス。胸元の大胆なフェザーのディテールが存在感を放つゴージャスなドレスを飾ったジュエリーはBoucheron(ブシュロン)



Marion Cotillard in Chanel Vintage

こちらは淡いピンクとパープルがミックスされた春らしい髪色でイメチェンしていたフランスが誇る名女優のマリオン・コティヤール♥️

マリオンが着こなしたドレスはChanel(シャネル)のもの。両肩からオーガンザのケープが飛び出たシルバーに煌めくこのミニドレスは2008年の英国アカデミー賞(BAFTA)でマリオンが一度着用した着まわしのドレスで、この年に『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』で主演女優賞を受賞したマリオンにとって思い入れのある一枚なんだそう。