まだ胃の中があったかい。

今日、犬鍋を食べた。

犬の鍋。

食べたかったわけじゃないけど、むしろ、
日本人としてそんな鍋は全力で願い下げたいところなのに、
仕事で知り合った中国生まれのリンさんが、
「犬鍋は幸せの味ヨ」だなんて言うもんだから…。
彼女のピュアな瞳にほだされて、
今宵、文化の壁を乗り越えることを決意。

夕方、池袋チャイナタウンで待ち合わせ。
リンさんオススメのお店に行く。

店内はスタッフも客もすべて中国人。
完全なるアウェー。東京なのに。
そして出てきた犬鍋セット。

ジャーン! 犬肉
微熱大陸-犬鍋

店のスタッフがニヤニヤして僕を見る。
その視線を「ビビってんだろ?」という
日本人への挑発だと勝手に解釈し、
「別にビビってねーし!」の視線を返す。

実際、犬食文化は中国では古くから親しまれてきたものだし、
日本でも昔はあったと言われているし、
目の前の犬肉もちゃんと食用として中国で育てられて輸入したもの。
日本人が牛や鳥を食べるのと何ら変わらない。
ビビったり批判する理由は何もない。
とか言ってる時点で、ちょっとビビってるし犬食を批判する気持ちがあるのかもしれない。

自問自答している間に、煮えた。
微熱大陸-犬鍋2

食べた。

犬肉は牛筋のようなやわらかい食感で、
予想していたような臭みがまったくない。
マズくない!

つまり、うまくもない!

これは、味付けの問題。
日本人向けではないというか、味噌ベースっぽいのに薬膳チックな味。
まあ、そういうもんだろう。

結局、けっこうな量をたいらげた。
リンさんは、しきりにおいしいと言う。
犬鍋を食べると「2日くらい元気が続く」そうだ(栄養が豊富らしい)。
僕には「幸せな味」だとは思わなかったし、
さっきから息が野良犬っぽい匂いがする気がするけど、まあいいや。

自分のなかの小さな常識が崩される。それが幸せ。
今年もそんな出来事がたくさん起こりそうだ。