チャットGPT 子どもに使わせるべき?

 

「東ロボくん」開発主導 新井紀子さんに聞く 5月29日(月)朝日新聞 

 

 

 

 AIは、文章の最初の何語かを与え、次どうなるかを当てさせる、ということを繰り返しながら文章を学んでいます。

 

意味を考えているわけではなく、正答率100%を目指しているわけでもない。

 

いかに人間らしく文章を生成させるかが大事なんです。

 

 だから、正しい知識がない子どもが使うと、その答えをうのみにする可能性があります。

 

私に10代の子どもがいたら、使わせませんね。

 

 子どもにチャットGPTを使わせることは、ユーチューブを使わせるのと同じ感覚です。

 

例えばユーチューブでスタンフォード大学の最先端の授業を見て「こうなんだ」と勉強する子もいれば、

 

他の子のゲームをする姿を見ているだけの子もいる。

 

 ユーチューブは、可能性があるけど、多くの人にとっては可能性を奪う道具なんです。

 

 自分の子どもが使ってどっちの道に行くのか「賭けをしますか」ということです。

 

 

 

 

  私は、幼児のころは「サル」として育てるのが正しいと思っています。

 

自分で暑さ、寒さを感じているとか、こうすると転ぶんだなとか、昆虫が動く様子をずっと見て

 

「動く」ということの統一的な原理を認識するとか。そいうことを、無言のまま学ぶ時期があると思うのです。

 

その時期が十分にないと、その後の発達が難しくなるように人間はできているのではないでしょうか。

 

 

楽するに決まっている でも、後戻りできない。

 

チャットGPTをそのまま子どもに使わせたら、作文を書いてもらうとか、調べ学習の答えを書かせるとか、

 

楽なことをするに決まっています。 

 

 

 そのせいで、時系列に物事を書く能力とか、つじつまが合うように何かをまとめる能力とか、

 

本来、狙っていた教育効果が白紙になってしまいます。

 

 でも、もう後戻りできない段階にきていることも確かです。

 

 

 ですので、今後もますます読解力が問われるのでしょう。

 

 例えて言えば、文章を読んだときに、読んだことが意味として立ち上がる感じです。

 

テキストがテキストのままで終わっている人は、文章を縮めることができません。

 

でも意味がわかっている人は、Aという向きからも書けるし、

 

Bという方向からも書ける。事実を俯瞰的(ふかん的)もとらえることができます。

 

 

 

 だから、わが子をチャットGPTを使いこなせる大人にするためには、

 

小さい頃、「サル」として育てる必要があると思います。

 

二次元の世界には、においも舌触りも手触りもありません。

 

そもそも平面的なものを立体的にみようというのは、無理があります。

 

 鉛筆を使う。消しゴムを使う。物差しをしっかり押させて線を引く。

 

こうした原始的な体験を積むことが大事、というところに戻るのではないかと思います。

 

この記事を読んで、ご自身の【子育てに対する問い】をたてるキッカケになれば幸いです。

 

わかなべ