【ツイート①】

 大坂なおみ選手の記者会見拒否問題。

 ある番組で元女子プロテニス選手沢松奈生子さんは「記者会見での辛さはどの選手も経験している」としたうえで大坂選手を「傷つきやすい選手」と評しました。彼女は、四大大会初優勝の後の大会では1回戦で敗退し試合後の記者会見で「短期間でビッグになったが適応できていたか?」等と聞かれ「泣きそう」と漏らし途中退席しています。また自身のツイッターでは「(四大大会初優勝を果たした)2018年の全米オープンから長い間うつ病に悩んでいた」「私のことを知っている人は誰でも、私が内向的であることを知っているし、大会で私を見たことがある人は、私が不安を和らげるため、ヘッドホンを頻繁に身に着けていることに気づいたでしょう。」と告白。

(記者会見を途中退席した大坂選手)


しかしどんな実力者でも初優勝を経てその後タイトルホルダーとしてのプレッシャーと戦いながら試合をしており、皆がうつ病を発症していたわけではありません。


 おそらく大坂選手はもともと感覚が敏感なタイプなのだと思います。しかし、たとえ先天的な感じやすさを持っていたとしても、現状では試合後の記者会見に出席するというルールは守らなければなりません。かと言って、特にこういう先天的な特徴を持つ人に対して「考えが甘い」等と非難だけをしても上手くいきません。

 精神的な問題を抱えている人に対しては、「あなたはこういうことを敏感に受け止める人だからとても辛いよね」等と、先ずはその人の気持ちに共感する母性の働きを施す必要があります。しかし、どうしても記者会見に参加しなければならない(行動の切り替えが求められる)となれば、そのうえで、「でも、これを棄権すると罰金も課せられるし、どの選手も経験するものだから、頑張って参加してみてはどう?」等と理由を伴い、更に誘導形で穏やかに導く父性の働きを施すと良いと思います。(下記②-A)

 ある専門家は「メンタルに問題を抱えている人は、その辛さを外部に言わず隠す傾向にある」と指摘しています。それは、言えば「お前はメンタルが弱い」と批判されるからだと思います。今回の件を通して、人一倍感じやすい人の存在が社会に認知されることを願っています。


【ツイート②】

記事[やる気にムラのある小6娘。子どものやる気を引き出すには?【小川大介先生の子育てよろず相談室】](https://news.yahoo.co.jp/articles/36b445c08ab120be17694e7dceae8ff5f3fcd264)

《〈相談〉小6の受験生の娘は、やる気にとてもムラがあります。5年の時に塾が合わずに成績が低迷し、転塾。その後しばらくは調子よくやっていて、成績も伸びてきていたのですが、6年になってからまたやる気がダウンしてしまったようです。最近は、私が少し目を離すと、違うことをやっていることが多くなりました。

〈助言〉『やる気』というのは、実は『やれる気』です。「自分なりにできそう」と、できているイメージが湧くからこそ、すぐに取り掛かることができるのです。反対に、見通しが立たなかったり、「大変そうだな」と思うものについては、できているイメージが湧かないため、取り掛かれずに先送りしてしまいます。

 では具体的に何をすればよいかというと、まずは本人の話を聞いてあげることです。「どんな様子?」「何かあった?」と、本人の言い分に耳を傾けた上で、やるべきことを整理してあげましょう。塾の宿題が多すぎるようなら、大人の判断として削ればいいし、「今日はここまでにして、他は週末時間のあるときにやったらいいんじゃない?」とスケジュールを一緒に考えるのもいいですね。そうやって子どもが取り組みやすいように整理することで、本人が「これならやれそう」という気持ちになれると、ずいぶん変わってくると思います。》

「やる気」の正体は、実は「これならできそう」と言う見通しであると言う小川氏の指摘。とても勉強になります。

 さて、この「やる気が出ない」という子供は下記の①〜③のどの場面にいるでしょうか?



そうです、②ですね。その場合は先ず子供の話を聞く母性の働きを施します。記事の中で「まずは『どんな様子?』『何かあった?』等と本人の話を聞いてあげることです」と指摘されているのが正にそれにあたります。

 次に、その問題が深刻なものかどうかを考えます。この場合は「何となくやる気が出ない」という程度の問題ですから、上記の「A」に当たるでしょう。記事の中で、「大人の判断でスケジュール調整をしてあげる」「『今日はここまでにして、他は週末時間のあるときにやったらいいんじゃない?』と助言する」と指摘されているのが、子供を導くための指導、つまり父性の働きにあたります。

 以上を例えるなら、子育ての対応策の情報が入っている全部で3つの“引き出し”。それぞれを開けると、母性と父性のどちらの働きを施せば良いかが記されていますが、その内の②の引き出しを開けた時だけ、問題の深刻度によって中が2つに仕切られていて、どちらかの蓋を開けた時に支援の方法が記されています。


 度々登場するこのスライド。家庭の中で考え得る限りの3つの場面と、考え得る限りの母性と父性という2つの支援方法だけによるシンプルなこの組み合わせによれば、子育ての全体像を把握することができるので、それが親の見通しとなるでしょう。現実問題としては、少ない知識でより多くのケースに対応できることが望ましく、理想は、上記の1枚のスライドで全てのケースに対応できることです!


【ツイート③】

記事[13階から長男を投げ落とし殺害…34歳母親が抱えた「心の闇」](https://news.yahoo.co.jp/articles/cc3320589a782a0b4357fb3473d13f2a7c98398c)

《マンションに暮らしていた小佐野晴彦と恋は23歳離れた年の差婚の夫婦だった。晴彦は父親の会社を継いだ二代目の経営者。離婚歴があり50歳の時に携帯サイトで出会ったのが恋だった。当時彼女は27歳だったが、二度の離婚歴があった。

 二人は男女の関係になり、同棲をスタートさせた。間もなく、恋のお腹に新しい命が宿る。恋は「子供が嫌い」「育てたくない」と嫌がったが、晴彦は説得して出産させ籍を入れた。こうして生まれたのが、長男の瑞貴だった。晴彦は、恋も母親になれば子供を愛しむようになると楽観していたのだろう。だが、恋はまったく瑞貴に関心を持たず遠ざけた。

 年の暮れの寒い夜、34歳の母親は、都内のマンションの13階の窓を開け、眠っていた5歳の長男を外の地上へと投げ落とした。

 裁判では、なぜ恋がわが子を殺すほど心の問題をこじらせたのかというところが争点の一つとなった。弁護側が明らかにした事実や取材で明らかになったのは、恋のあまりに劣悪な幼少時代だった。恋の母親は若い頃から破天荒を絵に描いたような女性だった。小さな頃から問題ばかり起こし、十代で風俗の仕事をはじめる。そんな中で、恋を生んだもののすぐに夫と別れ、夜の街へ舞い戻る。

 母親はまったく育児をせず、恋は祖父母の家や母親の友人の家をたらい回しにされた。》

子供の世話を放棄したり過度に厳しくしたりすると陥る「回避型」愛着不全に育てられた子供が、将来成人し親になった時、どんな言動を見せるかを如実に表した記事です。ただしこの母親の場合「不安型」も併発している重篤な症状と言えるでしょう。しかし「子供が嫌い」「育てたくない」と、新しい愛の絆(愛着)”を形成することを嫌うのは、明らかに他者との接触を避ける「回避型」の表れです。


【ツイート④】

《あるラジオに寄せられたリスナーの声。

「自分は乗り物や公共施設など公の場面ですぐ隣にいる人に話しかけます」

これを読み上げたパーソナリティーからは「すごいなあ、自分にはできない」と尊敬の眼差しが向けられた。》

 さて、自閉症スペクトラム障害の人は、目の前にいる人を警戒するあまりに、その人に話しかけるどころか目を見ることさえできません。一方で、いわゆる健常者と言われる人達も、公共の場では見ず知らずの人に対しては話しかけません。「急に話しかけたら怒り出す人がいるかも知れない」という警戒心の表れです。「それが普通だ」とは言っても、このリスナーに比べれば警戒心が強いと言えます。つまり、警戒心は大なり小なり誰にでもあるということであり、これが自閉症のスペクトラム(連続)性です。

 また、警戒する気持ちは安心感を求める気持ちの裏返しです。誰もが安心したい気持ちを持っており、それが強いか、中位か、弱いか、それだけの違いです。


【ツイート⑤】

記事[スタンフォード式「子どもの正しいほめ方」4つの習慣](https://news.yahoo.co.jp/articles/46631ce1e7f8b10c143096a6d1840590e401792a)

①真実味があるか?(うそっぽくほめても意味が ない。子どもはすぐに感じ取ってしまい、逆効果)②何をほめるか?(「算数の天才だ!」等と結果を褒めるのは良くない) 「ほめてつる」のが目的化していないか?(子どもは敏感なので、親が自分をコントロールしたいためのほめ言葉と察知し、その後のほめ言葉を変にとらえるようになったり、子どもとの関係性が悪化したりする) 能力を比較していないか?(「クラスで一番ね!」「誰々よりできた」と他の子と比較してしまうのは良くない)

これらの注意はどれもHSC(人一倍敏感な子供)の子供に対して注意するべきことばかりです。感覚過敏の子供は落ち着いた環境の中なら学習能力が高いので、名門スタンフォード大学(ここでは正確にはスタンフォード大学への進学校オンラインハイスクール)にもそのタイプが多いのかも知れません。

 HSCは、他者の考えを敏感に察知して、「褒めればやる気を出すだろう」等という裏の気持ちを見抜き、それに拒否反応を示します。また他者の幸せを願う気持ちが強いために自分と比べられ低く見られる友達に心を痛める面もあります。

 ではどのように褒めればいいでしょうか?例えるなら「職場の同僚と同じように接する」と言えば分かりやすいでしょう。同僚に対しては「褒めればやる気を出すだろう」等とは思いませんし、他者を低めてまで本人を褒めようとも思いません。そんな褒め方をしても大人は喜ばないと言うことを知っているからです。

 大切なことは、HSCの子供の存在を認め尊重する態度が必要だということです。その意味から「ありがとう」(承認)や「ごめんなさい」(尊重)の言葉をかける事はとても意味のあることです。

 因みに、非HSCなら子供扱いして褒めて良いか?と言うとそうではありません。チェックリストの23個の設問に13個以上当てはまった場合にHSCと判断される一方で、HSCとされる子供でも112個は当てはまるのですから。私としては、1個も当てはまらないという完全な非HSC”の子供がいるのかどうか疑問です。


【ツイート⑥】

記事[教員のわいせつ行為対策 法案の骨子案まとめる 自公作業チーム](https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210414/k10012973011000.html)

 《教員によるわいせつ行為は、懲戒免職の対象。更に懲戒免職で教員免許を失っても3年たてば再び取得できる今の制度を改め、わいせつ行為で処分を受けた教員に対しては、再び免許を与えるのが適当と認められる場合に限定する方針》

これまでは、わいせつ行為についての考察は行ってきませんでしたし、精神科医の岡田氏もこのことについては取り上げていませんでした。しかし、今回私が新たに調べたところによると、ある専門家が、幼児期の母子関係に大きな問題がある場合、その孤独感を紛らわせるために子供への性犯罪に及ぶことがあることを指摘しています(https://www.i-repository.net/contents/outemon/ir/401/401970705.pdf)。因みに、アルコールやギャンブル等に依存するのも、やはり「孤独感(不安感)を紛らわせるため」とされています。

 つまり別名「第二の遺伝子」とも呼ばれる親子間の愛着が原因と考えられることから、その性癖は一生治るものではなく、今回の方針は基本的には正解と考えます。本当に乳幼児期の養育は重要なのですね。