先日テレビで小学生低学年くらいの男の子がお母さんと竹馬を練習している様子を見ました。男の子は何度も足を乗せるところから挑戦しますが、なかなかうまくいきません。お母さんも熱心に側から「がんばれ」と声掛けをしています。

 ところで、私達は子どもに自転車の乗り方を教えようとする時、どのような練習をさせるでしょうか?始めは大人が後ろの荷台を支えていて、子供が慣れてきたら少しずつ支える力を弱くしていきます。こうすると、子どもにかかる負荷は最初は小さく、出来てきたら大人の力加減で少しずつ増やしていくことができます。
 一方で、竹馬に乗るところから子どもに任せると、初めの負荷は100%子どもにかかってしまい、まだ出来ない子どもにとってはとてもハードルが高くなります。
 そこで、自転車練習と同じように、初めに親が全面的に竹馬を支えていて、そこに子どもが足を乗せて上がり竹馬を握ります。その状態から子どもがバランスのコツをつかんできたら大人が少しずつ力加減を弱くしていきます。特に、竹馬で立つ際の一番の難しさは、竹馬を少し前に傾けるバランス感覚ですから、初めに親が支える時に丁度いい傾け方を教えてあげると子どももコツをつかみやすいはずです。


 また、このような取り組ませ方は、運動に限ったことではありません。例えば、靴下の履き方を教えるような時にも、同じような方法が使えます。
 先ず初めは全て親が履かせてあげます。その時子どもは靴下が履き終わるまでの様子を目で見ています。これはイメージトレーニングになるでしょう。次に靴下を履いた状態から少しだけ靴下を下にずらし、そこから子ども自身にずらし上げさせます。これなら幼い子どももできるでしょう。次はかかとの直前あたりまでずらして、子どもにやらせます。今度は、かかとを超えたところまでずらして子どもにやらせます。このように、少しずつ子どもにかかる負荷を高めていき、無理なく履き方を習得させます。
 なお、この方法は私が国立特別支援教育総合研究所で2カ月超の長期研修に参加した時に、長崎県からいらした先生が紹介してくださった方法です。

 これらのように、初めは大人が助けて、少しずつ子どもの負荷を増やしていき、最終的には全てを子どもだけで出来るようになる、いわばスモールステップ式の練習方法が子どもも無理なくできる一つの方法だと思います。。
 以下の図は、その身に付ける過程をイメージしたモデル図です。


 同様の方式は、お手伝いの仕方を教える場面等でもきっと活用することが出来るはずです。

 でも、その一連の技能習得において一番大切なのは“結果”ではなく“努力”です→ (https://ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12387862225.html)。
たとえ上手く出来なくても、子どもが一生懸命取り組んだ態度に注目して「よくがんばったね!」と、その努力を褒めてあげたいものです。子どもはきっとその後も更に“努力”を傾けるはずです。