【ツイート】
 誹謗中傷に悩んでいたというプロレスラーの木村花さん。


 人間の持つ個性の一つに”感覚の敏感さ”があります。外部からの同じ刺激に対してもその受け止め方は十人十色であり、中には「ガラスのメンタル」と評されるほど感覚が過敏な人もいます。しかもそれは先天性のものであることが多いため、本人の努力でどうにかなるものではありません。他にも誹謗中傷を受ける有名人が多い中で、彼女だけが命を落としたのは、その”感覚の敏感さ”が人一倍強かった可能性もあります。
 一般的に、感覚が過敏な人は外部からの刺激に人一倍オーバーに反応したり、逆に刺激を無意識のうちに除外しようとするために無反応な一面を見せたりすることもあります。更に。それらの反応は往々にして批判の対象になることが多く、その周囲からの冷たい視線は、過敏な本人にとってはまるで自分に突き刺さるように苦しいのです。
 誹謗中傷した人達は「まさか死ぬとは…」と思っていたのかも知れません。今回の木村さんの事例を通して、他人からは決して目には見えない心の過敏さを持っている人がいることが理解されることを願っています。

【ツイート】
 木村さんの性格は以下の通り。

「すごく落ち込みやすい子だった」

「突っ張って見えるけど繊細」

「礼儀正しい」

「思ったことをすぐ口にしてしまう」

「とことん素直」

(過剰に反応する)性格もあって中学の時は男子からからかわれていた」

「周りにSOSを出さない」

「彼女から『辛い』と聞いたことない」

「気持ちの浮き沈みが激しい」

「忙しかったりするとしばらく何も連絡がないこともあった」

「真っ直ぐで本当に純粋」


 因みに、感覚過敏の人の特徴として以下のようなことが挙げられます。

・不快な外部刺激を避けるため他人との距離を置きがち(他人に頼らない)

・安心感を得るため、他人とのトラブルリスクの少ない正しい言動を追求しようとする

・外部環境に疎いため、周囲の空気を読まず率直な自分の気持ちを表現してしまうことがある

・外部刺激に敏感に反応するため、他者への反応がオーバー

・自分に対して冷たく接する他人の言動に敏感に反応するため、自己否定感が強い。


 やはり木村さんは感覚過敏の傾向が人よりも強くピュアで素直なタイプだったと考えられます。


【ツイート】

「毎日100件近く率直な意見。傷ついたのは否定できなかったから。お母さん産んでくれてありがとう。愛されたかった人生でした。側で支えてくれたみんなありがとう。大好きです。弱い私でごめんなさい」と木村さんのツイッター。

「100件近くの批判を(自分の中で)否定できなかった」という強い自己否定感。「愛されたかった人生」というのも決して母親への思いではなく、周囲の人達に認められたかったという思いだったと思います。


【ツイート】
 木村花さんへの誹謗中傷のきっかけは、「テラスハウス」の生活の中で木村さんの試合用コスチュームを同居男性が間違って洗ってしまったことを木村さんが強い口調で責め立てたことだったと言います。
 感覚過敏の人は、予想外の環境の大きな変化があると、ビックリして過剰な反応を示してしまうことが多いのです。

【ツイート】
 ある報道で「テラスハウス」は台本が無い番組であることを知りました。つまり亡くなった木村花さんは“感覚過敏”という先天性の素の姿をカメラの前で表し、製作側は編集したうえで視聴率の為に敢えてその様子を放送したことになります。木村さんの特性が知らなかったとは言え余りにも残酷です。木村さんの過剰な言動が先天性の特徴によるものだという理解があれば、いかにメディアとは言え、その様子を放送することもなかったのではないでしょうか?それは例えるなら、身体障害者の人が転んでしまった場面を敢えて選んで放送するのと同じ意味があるのですから。
 また、この番組に限らず、メディアでは反応が過剰な感覚過敏の人の言動を取り上げ、からかう傾向が多々見られます。私は、それを「観察学習」してしまい、身近な子どもをいじる大人が増えてしまうことを心配しています。