国立成育医療研究センターが、新型コロナが流行する中、子ども達にどのような影響があるか調査しました。すると「誰かに相談したいこと」の第1位は「コロナにかからない方法」で、46%の子どもが困っているということが分かりました。専門家は「大人が分かりやすい言葉で伝えることが重要」と指摘しています。

 そこで、そんな子ども達へ向けての私なりのメッセージ「コロナを心配しているみなさんへ」を考えてみました。

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「コロナを心配しているみなさんへ」

 今、コロナがはやっていて、「どうしたらコロナにかからないの?」と心配している人が多いようです。そこで、今からコロナにかからない方法をお話します。


 コロナウイルスは、コロナにかかっている人がクシャミで吐き出したツバ(ひまつ)の中に入っています。このツバが自分にかかると自分もコロナにかかってしまうことがあります。これを「ひまつ感染」と言います。



 また、このツバが吐き出された後、ツバが目に見えないくらい細かくなって軽くなったものが空気の中に浮かんでいることもあります。これを口や鼻から吸い込んでしまうとコロナにかかってしまいます。これも「ひまつ感染」の仲間ですが、これを吸い込まないようにするためには、人と2m(メートル)くらいは離れていないといけません。この2mの間かくが「ソーシャルディスタンス」と言われるもので、となりの人とお互いに手を広げてもぶつからないくらいの間かくです。


 でも、コロナにかかるのは「ひまつ感染」だけではありません。

 人が吐き出したツバはいろんなところにくっつきます。机の上、ドアを開ける時に手をかける取手やドアノブ、水道のじゃ口、トイレの水を流すレバーなど、他の人も使う色々なところにくっついていますが、色がついていないので目には見えません。目に見えないから、知らない間に、そこにさわった自分の指や手にウイルスがくっついています。


 でもウイルスが指や手にくっついただけではコロナにはかかりません。コロナウイルスが自分の体の中に入ってくるのは、ウイルスがついた指や手が、目や鼻や口にさわった(せっしょくした)時です。これを「せっしょく感染」と言います。だから、できるだけ目や鼻や口をさわらないようにしましょう。

 でも、どんなに気を付けていてもいつの間にかさわってしまうことがあります。その時に、役に立つのが手洗いです。ウイルスが指や手にくっついても、手を洗えばウイルスを落とすことができます。でもいいかげんに洗っただけではウイルスは落ちません。せっけんをつけて、まずはよく泡立てましょう。汚れは泡の力でおちるのです。そのあとに手のひらや手のひらの反対側、指の一本一本まで、ていねいに洗いましょう。


 また、コロナにかからないようにする時に大きな武器になるのがマスクです。最近の外国の研究では、マスクをしていると、していない時に比べて2倍もウイルスを吸い込まなくなることも分かってきました(注→稿末参照)。また、マスクをしていれば鼻と口がかくれるので、ちょくせつさわらないですみます。

 また、マスクは、もしも自分がコロナにかかった時に、他の人にうつすのをふせいでくれます。コロナウイルスはツバでうつるので、マスクをしていれば、ツバを吐き出さないですむからです。マスクをしている人は、他の人にうつさないように気を付けている心のやさしい人です。


 これまでのことをまとめると、コロナウイルスは「ひまつ感染」と「せっしょく感染」の時しか体の中に入ってきません

「ひまつ感染」しないためには、他の人と2mはなれること。「せっしょく感染」しないためには、できるだけ目や鼻や口にさわらないこと、手を何度もよく洗うこと。そしていつもマスクをつけること。

 これらのことにきちんと気を付けていればコロナにかかることはほとんどありません。安心して生活してください。


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(注)

「マスク着用、新型コロナ感染2割以下に ハムスターで実験―香港大」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020051800826&g=int)より