【今回の記事】

【記事の概要】
学生時代を思い返すと、クラスに必ず1人はいた「いじられキャラ」。傍目にはクラスの人気者のようにも見えた子が、なぜ卒業後に同級生と一切連絡を断ったのか──。都内に住む自営業者・Yさん(40代)は、かつていじられキャラだった同級生のSさんの心の闇を知り、ショックを受けている。

 きっかけは数年前、Yさんが同級生数人とお酒を飲んでいた時のことだった。同級生の近況について話しているうちにSさんの名前も上がったが、誰も彼の近況は知らず、SNSでも一切接触がないことが分かった。その場はそこで話は終わったが、ほどなく状況が動いた。
Sのことが気になった友人の1人が、わざわざSの実家に電話をして連絡先を聞き、Sに電話しました。しかし、久々の会話に感激する友人とは対照的にSはよそよそしく、『お酒でも飲もうよ』と言ったら、『お酒は飲めないんだよね』と答えたそうで、友人は、行きたくないサインだと察し、会うのを諦めたのです」(Yさん)
 クラスの盛り上げ役だったSさんの冷たい対応に友人はみな驚いたが、人にはそれぞれ事情があるもの。特にSさんにアプローチしないまま時は過ぎた。しかし今年の夏、ひょんなことから謎が解明される。

  Y
さんが同級生のMさんと近所でばったり出会い、立ち話の中でSさんの話をすると、Mさんがあっさり「Sならこないだ会ったよ」と言ったのだ。
MSと仕事が同じで、ある現場でばったりSと会ったそうです。そこでSMに語った言葉を聞いた時は、本当にショックでした。要するに『高校時代のことは思い出したくない』というのです」(
Yさん)
  SさんがMさんに語った内容は、本人しかわかり得ない話だった。Sさんは高校時代、学園祭で漫才をやったり、体育祭の応援団のリーダーをやったりする人気者。いじられキャラとして常に周りを笑わせる校内のアイドル的存在だったが、Sさんに言わせれば、そういった立ち振舞いは全て、彼をイジるスクールカースト上位の同級生にやらされたものであり、拒めばイジメられると思ったからやったことだったのだ。
  Y
さんはいう。
Sの話はすぐに友人に伝えましたが、みな信じられないと、大変ショックを受けたようでした。Sは『オレにとってイジリイジメ以外の何ものでもなかった』とも言っていたそうです。Mによれば、『(Sは)学生時代とのギャップが大きすぎて、完全に別人』とのことで、ウチらも『もうSに会ってもしょうがないのかもね……』と話しています」

   
いじられキャラというと美味しいポジションという印象もあるかもしれないが、中にはそれが苦痛で仕方ない人もいるということ。「イジり」と「いじめ」は語感も似ているが、それがすり替わってしまっていないか、イジり役の人間は省みる必要があるようだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「オレにとってイジリはイジメ以外の何ものでもなかった」
高校時代は「美味しいいじられキャラ」だったはずのSさんの衝撃の過去でした。

   この事例から、子を持つ親御さんが学ぶべき点はどんなことでしょうか?それについては、長くなるので明日「感想」でお話しします。