【今回の記事】

【記事の概要】
  “お子さまによって性格は様々”と分かっていても、「うちの子はどうしてこんなに落ち着きがないの?」と疑問を抱く保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。特にお子さまが幼稚園や小学校に上がると、「周りの子はちゃんと座っているのに…」と、周囲と比較して不安を感じるケースもあるようです。今回は、「落ち着きのない子ども」のさまざまな原因と、大人がとるべき接し方についてご紹介します。


お子さまが「落ち着かない」4つの原因と対処法
好奇心が旺盛で欲求を抑えきれない
   
お子さまの脳は未発達で、大人のように感情をコントロールすることができません。興味を持ったものには手を伸ばし、遊びたいものを見つければ突き進んでしまいます。これは裏を返せば“知的欲求”に溢れているということでもあり、我慢ができる年齢になるまで気長に見守ることも必要です。落ち着いてほしい場面では遊びたくなるものが目に入らないようにするなど、保護者のかたも工夫することが必要です。
自己主張の始まり
   
思い通りにしたくて大声を出したり暴れたりする行動が「落ち着かない」ととられることがあります。しかし、「自分の思い通りにしたい」という自己主張はお子さまの自我が芽生えてきた証拠です。無理に抑え込むと主張の場を失って、行動をエスカレートさせてしまうかもしれません。うまく気持ちをそらしてあげるといいでしょう。
ストレス
   
お子さまの世界にもストレスはありますが、まだ大人のようにうまく発散させることができません。そのため、理由もなくかんしゃくを起こす、爪をかむ、おねしょなどの身体的な症状が出たりすることがあります。お子さまをよく観察してみましょう。
関心を引きたい
   
愛情を欲していて、好きな人(保護者の方や先生、お友だちなど)の関心を引きたいために暴れたり落ち着きのない行動をとったりする場合もあります。兄弟の誕生など環境の変化がきっかけとなることもあるので、そういう場合は特にお子さまの心のケアを意識するといいでしょう。

落ち着きがないお子さまへの接し方は?
   
では、実際に落ち着きがないお子さまへの接し方についてみていきましょう。
短く分かりやすい言葉で、視覚情報も活用する
   
難しい言葉は理解できないため、大人の指示通りにできないことが多いです。絵などを使って説明してあげるのがいいでしょう。
良い部分はほめ、叱ることは控える
   
落ち着きのない子どもは、まわりから叱られたり否定されたりすることが多く、劣等感や孤独感を抱きがちです。積極的にほめて、自己肯定感を与えてあげることで、精神的に安定する傾向があるそうです。
安心できる環境で対応する
   
落ち着きのない子どもは、人混みが苦手であったり、大きな音などの刺激に敏感な傾向があったりします。落ち着いてほしいときには、精神的に安定した状態でいられるよう、まず環境をととのえてあげるといいでしょう。

安心感を与え、ストレスを感じさせない接し方を心がける
   
落ち着きのないお子さまに対しては、何が落ち着きのなさの原因となっているかを見極めた上で、ストレスのない接し方をしてあげることが大切です。ご紹介した「短く分かりやすい言葉で、視覚情報も活用する」「良い部分はほめ、叱ることは控える」「安心できる環境で対応する」といった三点をベースに、安心感を与えてあげることを心がけましょう。
   
また、「落ち着きのない子は言うことを聞いてくれない、理解してくれない」と考えるのではなく、「理解をするのに時間がかかっているだけ」と考えることも大切です。例えば、何か間違ったことをした場合でも、「どうせちゃんと聞いてくれないから」と放っておいたり、もしくは感情的に叱ったりしては、ますますお子さまはどうしていいか分からなくなってしまいます。時間をかけて繰り返し「何が間違っていたか、次はどうしたら良いか」を伝えるようにしましょう。その際には、近くに寄り添って、穏やかで静かな声で話すと、落ち着きのないお子さまでも聞きやすいようです。そうしたコミュニケーションを繰り返して、お子さまが安心感を覚えるようになれば、徐々に落ち着きのなさもおさまっていくことが多いでしょう。

(長くなってしまったので、「感想」は明日お話しします。主に、それぞれの原因に基づく改善策を中心に、大切な補足も含めてお話しします。)