私は先日の817日(土)に東京の貞静学園短期大学を会場に開かれた第34日本家庭教育学会に発表者として参加してきました。「学会」ですから、会員になっている方は大学の研究者や家庭教育に関わる支援団体等に所属している専門家の方ばかりです。しかも、通常は既に学会員になっている人からの紹介によって入会が認められる規定になっていたのですが、事務局に問い合わせたところ、寛大なご配慮により、今回私のように教職を退職して完全に一個人である人間の入会を認めて頂きました。感謝です!
 
 さて学会当日、各発表者による研究発表は、いくつかの会場に分かれて午前中に行われ、午後は講師の先生をお招きしての講演会が行われました。
 私の発表の要旨は以下の通りです。
精神科医の岡田尊司氏は、その著書の中で、親と子供とを繋ぐ『愛着(愛の絆)』が不安定であることが、子供の人格形成に成人後にも悪影響を与えると同時に、非行や犯罪、ひきこもり、家庭における虐待、非婚化やセックスレス等の少子化問題、他様々な社会問題の要因になっていると指摘している。これらの愛着不全の問題を大きく分けると、先ず、子供に対する親の無関心や否定感情、つまり子供への親の愛情が不足しているために起きる『回避型』愛着タイプの問題と、更に、子供に対する親の過干渉や愛情の偏り、つまり子供に対する親の思いが強過ぎるために起きる『不安型』愛着タイプの問題とがある。これらを改善するためには、前者については、親の愛情を確実に子供に伝える“母性”の働きを、後者については、子供に近づき過ぎず適度に距離をおいて見守る“父性“の働きを、それぞれ具現化した支援方法が必要になる。本稿では、それぞれの働きに当たる具体的な支援として、『安心7支援』(母性)と『見守り4支援』(父性)とを定義した。
 
 本ブログ読者の皆さんには、既にお馴染みの内容だと思いますが、「あれ?」と思った方もいらしたのではないでしょうか?そうです、この要旨の中の「安心7支援」というのは、私がこれまでブログ内で提案してきた「愛着7」とは違うのか?また、「見守り4支援」とは「自立4支援」とは違うのか?ということです。結論から言うと、どちらも支援の内容自体は同じものです。
   実は今回、学会発表のための準備作業をしている中で、本来この支援方法をSNSで一般の方々に対して情報を発信する場合、「愛着」や「自立」等のような専門用語ではなく、「それらの支援はどんな行為を行うことなの?」というその内容を表すタイトル(「名は体を表す」)であるほうが理解を得られやすいのではないかと考えました。そこで今回、特に学会での発表を機に名前を変更したのでした。なお、それを受けて今後、これまで投稿してきた中で関係する記事について、それらの名称変更の作業を行う予定でいます。その際には、皆さんの元に「ブログ記事投稿」のお知らせ表示が度々示されることになると思いますが、ご理解いただければ幸いです。

   また、上記要旨には「回避型」愛着タイプと「不安型」愛着タイプとしか出てきません。愛着不全タイプには、もう一つ「混乱型」愛着タイプがありますが、これは「回避型」と「不安型」との併発ですので、柱はやはり「回避型」と「不安型」との2つということになります。

(次回、発表後にいただいた質問と、私の“ある後悔の気持ち”へと続く…)