いったん「愛着(愛の絆)」が成立すると、関わる時間や世話がわずかであっても、親は子どもにとっての愛着対象であり続けることができます。母親に対する信頼感に裏付けられた“愛の絆”は、その後余程母親が“否定的・支配的な養育”をしない限りは維持され続けるのです。ですから、愛着の形成は、子どもと一番長い時間を過ごし、一番世話をしてくれた大人の存在が愛着対象になるとは限らないのです。大切なことは、関わりの「量」ではなく、愛着形成の臨界期である1歳半までに」の高い養育をすることなのです。因みに精神科医の岡田氏は、「1歳半までは子育てに“没頭”して欲しい」と述べています。

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   ですから、仕事をもって働いているお母さんでも、1歳半までの育児休業をとって愛着を形成すれば、その後も短い時間の中で、子どもとの良い関係を築いていくことができるということです。一刻でも早く社会全体が1歳半までの養育の大切さを認識し、全ての会社で、安心して育児休業が取得できるようになってほしいものです。
   しかし見方を変えれば、それだけ、愛着の形成にとって最も重要であるとされる0歳から1歳半までの「臨界期」の接し方が大切になってくるということです。

   また、先の投稿で述べた“育て直し愛着形成のやり直し)”を行う際にも、やはりその際の質が大切になります。子供の気持ちに寄り添う“マインド・マインドネス”を大切に、親身になって養育に当たることが大切です。

   これらの具体的な接し方については、第二章「愛着の形成の仕方」の「愛着7」の支援方法をご参照ください。