【今回の記事】

【記事の概要】
   息子を「メシが食える大人」に育てるために大切なことは、「男の子は、自分とはまったく違う生き物だと思うこと」。そうすることで、「男であることの芽」を摘まずにすみます。では、男の子の特徴って何でしょうか? 花まる学習会代表の高濱正伸さんに、子育てで大切な時期にあたる3歳から10歳までの「男の子」の特徴を5つ教えてもらいました。

①男の子は「何度言っても片付けができない」
「『脱いだ靴下は、ここ』と、男の子に何度言っても無駄なんです」と、高濱さん。ママたちにまず知って欲しいことは、幼児期の大きな特徴は、振り返りが苦手だということ。
   そもそも、自分の行動を振り返ることや反省という概念そのものが幼児にはありません。いま、いま、いま、と「いま」を生きていて、次々と新しくて面白いことをやりたいのが幼児なのです。
〈ママの接し方のコツ〉
   どんなことでも「新しいゲーム」として提示しよう
片付けを「ゲーム」にしてしまいます
「さぁ、これから時計の長い針が6にいくまでに、どれだけきれいになるでしょう? よーい、スタート!」
「ママが洗濯物をいれるのと、まーちゃんが全部おもちゃを片付けるの、どっちが早いか競争ね!」

こんなふうに、どんなことでも「新しいゲーム」であり、「前向きなもの」として提示します。

②男の子とは「好きなことしかやらない生き物」 
「子どもが一生懸命やることは、二つしかありません」(高濱さん)。それは「生活のなかで必然性があること」か、「 おもしろいこと」です。 
「おもしろいこと」を一生懸命やるのはわかりますが、“必然性”というのはどういう意味なのでしょうか? たとえば「自分がこのお茶わんを運ばないと、家族みんなが食事をはじめられないと思うと、手伝いたい気持ちになるし、一生懸命やります」(高濱さん) 
〈ママの接し方のコツ〉
   ママは女優になって、ワクワクする声かけを このとき、の接し方の一番のポイントは、 “強制”のニオイがしないこと。少しでも強制のニオイがしたら、もうNGです。
   実は、これは大人側の力量・芸風の問題でもあります。前述の片付けと同じように、遊びとして提案すると成功する可能性は大! 「子どもがワクワクするような声かけ」を極めるのは、ママの技量。「どう声がけすれば、この子は動くな?」。そう考える「」が、「何で片付けられないの!?」と、「キーっ」となっているママのテンションを少し下げてくれるかもしれませね。それだけでも十分、意味があるのかも…(笑)。 

③男の子にとって、冒険やスリルは「カッコいい」 
「うちの子は、何をしでかすか分からない」。男の子のママの中には、そんな不安と隣合わせで毎日を送っている人も多いでしょう。(じつは筆者もそうです)。 
男の子同士では、危険なことをした人間は“株が上がる”のです」(高濱さん)。男の子は「冒険」というだけで、大概、なんでも好きになるし、わくわくするものです。なぜかはわかりませんが、 リスクやスリルは「カッコいい」という気がするのです。「危ないことが、『何でこんなに好きなのかなぁ』と、女性ならだれもが不思議に思うくらい好きなものなのです」(高濱さん)。 
〈ママの接し方のコツ〉
   これが「男」という生き物だと受け入れるべし。ママは、「男の子とは理由もなく 危険を愛する生き物と、受け入れるしかなさそうです。

④勝ち負けにこだわる男の子の将来は? 
「家族でトランプをしていても、負けると最後は泣き出すので困る、というママもいるでしょう」(高濱さん)。
   わが家の3人の息子は、毎日が「勝った」「負けた」のケンカで明け暮れています。女親の私は、「よく、毎日、勝ち負けにこだわれるわね」と思ってしまいます。でも、本人たちにとっては、「勝ち負け=プライドの問題」のようなのです。 
〈ママの接し方のコツ〉
   将来有望?! ドンと構えて見守ろう。実は、「勝負事に負けて泣けるような子、また、この負けず嫌いの傾向は、将来有望な証でもあります。勉強面で、 『自分がわかったか、わからなかったか』や『目の前の一問』にこだわれる子が伸びる可能性が高いのです」(高濱さん)。 

⑤男の子は「品のないことが大好き」 
   高濱さんが、花まる学習会のサマースクールで、小学校1~3年生の班を担当したときのこと。「男の子たちは、1日の9割は、品のないことを言っていました」(高濱さん)。1日の9割ですか! 
〈ママの接し方のコツ〉
「それが男という生き物」と傍観せよ。 「『下ネタ』だったり『笑われること』を言えたりやったりする方が勝ちというのは、まさに 男の文化です。男には『カッコつけないほうがカッコいい』『どっちが恥ずかしいことを言えるか』」というように、『品の悪さ』で勝負しているところがあるんです」(高濱さん)。 

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【感想】
   わんぱくで下品な男の子。ややもすると、「そんなこと、やめなさい!」と注意ばかりが先に立ってしまうお母さんも多いのではないでしょうか?
   そんな中、記事冒頭の次の指摘はとても興味深いものです。
「息子を『メシが食える大人』に育てるために大切なことは、『男の子は(女である)自分とは全く違う生き物だ』と思うこと。そうすることで、『男であることの芽』を摘まずに済む
摘んではいけない「男であることの芽」と言うのは、言い換えれば「“男らしさ”の芽」と言うことでしょうか?女性の価値観で「そんなことは止めなさい!」「危ないことはしちゃダメ!」と禁止ばかりしていると、“男らしさ”の無い人間になってしまうと言う意図かもしれません。その意味で、記事中の男の子の特徴を母親が知っておくことは大切なことと言えるでしょう。

   また、一般的に、人間は想定外のこと”が起きた時にビックリして感情的になってしまうものです。ならば“想定内のこと”にしてしまえば、冷静に対応できるようになるはずです。例えば家の中で急にお尻をペロンと出して「クレヨンしんちゃん〜」と喜んだ時には、ややもすると、ビックリして反射的に「そんな下品なことやめなさい!」と叱ってしまいそうですが、上記の「男の子は品のないことが好きな生き物」と言う男の子の特徴事前に知っておけば、「やっぱりやったか…」と思えるでしょう。

   しかし、記事中にあるような5つの男の子の特徴の中には、社会的に容認できる行動容認できない行動とがあると思います。それらをどう区別し、どのように接すれば良いのでしょうか?
   その事については、長くなってしまったので、次回でお話ししたいと思います。(つづく)