【今回の記事】

【記事の概要】

   子ども連れで飲食店を利用する人の中には、子どもが店内で騒いだり、店の物を勝手にいじったりしても注意しない保護者もいる。そんな中、岡山県にある喫茶店のツイートがネットで大きな話題だ。「ご報告なしで帰られた保護者の方の態度に大変ショックを受けております…」との呟きと共に、ボロボロの障子の画像が掲載され、3万5000件以上リツイートされる事態となっている。

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「お子様連れのお客様にはいつも、店内で走り回る等の危険な行為をしないようお声がけしていました。ある時、同様のお声がけをしたママ友グループが帰られた後、客席の障子が破られていることに気づいたんです」しかし、保護者からは一言の報告もなかった上、剥がれ落ちた障子の紙片は見つけにくところにまとめられていた大人が証拠を隠そうとした形跡だろう。店では被害に遭った障子をエントランスに掲示し、事の顛末と注意喚起を記した張り紙をした。しかし、今度はその障子に別の子どもが新たな穴を開けたのを発見。こちらも保護者から申し出はなかったそうで、いたずらの無申告が続いて心が折れてしまったと、従業員の女性は打ち明ける。「これまで、もしお子さんが何かしてしまったとしても、保護者の方から謝罪や申し出があれば『大丈夫ですよ』と対応してきました。ですが今回、2回も続けて申し出の無いままお帰りになられて、心が折れてしまって。全員がそうでないことはよくわかっているのですが……」障子にいたずらをした子どもの保護者からの連絡は、まだ無いそうだ。

【感想】
   記事によれば、「剥がれ落ちた障子の紙片は見つけにくところにまとめられていた。」と言うことです。つまり罪の意識はあるのです。それならば、始めに穴を開けた時に注意していたはずです。それでも、結果的にボロボロになるまで破かれたのは、おそらく子供が親の注意を真剣に聞かなかったのではないでしょうか。子供が注意を真剣に聞かないのは、親の注意に真剣さが足りないためだと思います。
   昨今、「自己愛(自分が一番大切)」の人間が増えていると言われます。他者との心の繋がり、つまり「愛着(愛の絆)」が欠如している人間が増えているのです。もしかしたら、我が子の行動に対する関心よりも、スマホ等からの情報に対する関心の方が強いのかも知れません。精神科医の岡田氏が指摘する通り、家族個々にモバイル機器が与えられるようになり、家族同士の愛情行為(例えば「愛着7」)が益々おろそかになっている今、十分考えられる事態です。

   特に、公共施設に子供を連れて行く場合は、注意が必要だと思います。特に何も指導しないで施設へ連れて行くと、まだ「公共の場」と言う概念を知らない子供は、自分の家の中と同じように行動すると思います。
   では、公共施設に子供を連れて行くときにはどうすればいいのでしょうか?一言で言うと、施設に入る“直前”の指導が鍵を握ることになると思います。
   施設に入る直前に、入り口の所で、何らかの“目標”を与えるのです(それより前になってしまうと、子供の意識から目標が消えてしまうことがあるからです)。今回のような事例の場合は、「お店の中にあるものにいたずらをしない」という目標になるでしょうか?具体的な場面を想像してみましょう。
親「(子供の注意を引きつけてから)これからこのお店の中に入るけれど、一つ守ってほしいことがあるんだ。」
子「なあに?」
親「それは『お店の中にある物にいたずらをしない』ということ。わかる?
子「うん」(わかっていない場合は更に教える)
親「出来たらとってもえらいよ出来るかなあ?
子「できる!」
   入店後、3分間くらい子供の様子を微笑みながら見守ります。すると子供は親から肯定的に見てもらっていると言う喜びから、目当てによく気をつけて行動するでしょう。その時にすかさず、
親「よく気をつけているようね。その調子!
と褒めます。このように、“初めは必ず褒める”ということが大事です。褒められることで、子供の意欲はいっそう高まるのです。逆に、何も声掛けをしないで入店すると、子供はいつもの癖ですぐにいたずらを始め、親は初めにそれを注意せざるを得なくなります。そうなると子供の心はムシャクシャとし、その後も親を困らせる行動をするでしょう。
   その後も、時々子供とさり気なく目を合わせ、よく守れているね」と言う気持ちを込めて、ニッコリ笑ってうなずいてあげると、子供の意欲持続します。
   そして、お店から出てきたときに、頭を撫でて「よく我慢できたねぇ〜!えらい!👏」とたくさん褒めてあげるのです。この時、物品等のご褒美は不必要です。これをあげてしまうと、その後その子供は、ご褒美をもらわなければ良い行動をしない子供になってしまいます。親から笑顔で褒められる事が子供にとっての最高の喜びなのです。