【今回の記事】

【記事の概要】
 茶畑に生後間もない赤ちゃんの遺体を捨てたとして、静岡県立大学に通う20歳の女が逮捕されました。
 静岡県立大学の看護学部に通う増田愛梨奈容疑者は3月中旬ごろ、静岡県牧之原市の茶畑に生まれて間もない女の子の遺体を遺棄したとして逮捕されました。警察によりますと、赤ちゃんは、妊娠9カ月から10カ月で容疑者本人が出産したとみられ、17日午前11時ごろ、ポリ袋に入った状態で付近の住民が発見しました。警察は、司法解剖をして死因などを調べる方針です。

【感想】
   自分が出産した嬰児を遺棄したこの大学生は、自分が妊娠したということを親に相談できなかったのだと思います。もしも親に相談していたなら、もっと別の方法を選択出来ていたに違いありません。
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   またこの時期、親に相談できないことで最悪の結果を招く心配事があります。それは「いじめ」です。夏休み明けの自殺者が突出して多いのは他でもないこの「いじめ」が原因です。「我が子はいじめに遭っていない」「我が子は自殺などするはずがない」と言い切れるでしょうか?

   白梅学園大学教授の増田修治先生は次のように指摘しています。
親御さんにお願いしたいのは、子どもに親に対して“ヘルプ”が言える能力を身に付けさせることと、言える環境を与えてやるということです。今の親御さんは、お子さんに強くあること、なんでも自分の力でできること自立することを求めすぎています。幼稚園・保育園のころから“しっかりしなさい!”と言われ続けています。

   さて、この「ヘルプが“言える”環境」とはどのような環境なのでしょうか?私は、その環境を作るためには、親子の間に「愛着(愛の絆)」が形成されていることが必要だと思います。子供が母親に対して、自分を守ってくれる「安全基地」として信頼をおいている、その心の“絆”がなければ、ヘルプを言うことは難しいでしょう。
   この「愛着(愛の絆)」を形成する方法については、私なりに「愛着7」と定義しています。この中に「子供の話をうなずきながら“聞く共感する)」という愛情行為があります。ヘルプが言える環境」を作る上では、この“聞く”行為を意識して子供に接することが最も重要だと思います。
   しかし、それ以外にも子供が親に話しかけることができるようにするために必要な行為があります。それは、「子供を見て微笑む」「子供に穏やかな口調で話しかける」です。
   親がしかめっ面をしていたり、強い口調で注意したりしていては、子供は怖くて近づく事さえできません逆に、子供を受容する「母性」の働きを持つ母親が穏やかに微笑んだり、穏やかな話し方をしたりしていると、子供は安心して親のところに来ることができるでしょう。まず子供が親のそばに来なければ、子供の話を聞くことさえできないのです。
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   親の意識が、時として子供にとって自他の命に関わる大きな事件を引き起こす事にもなりかねないのです。