【今回の記事】

【記事の概要】
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といっても上手くいかずお互い上手に伝わらないことにイライラしてしまう最近です(^▽^;)

   長男の場合、目の力は強いようですが文字や人の顔を覚えるのは苦手なようです。

   一度言語の先生に学習障害の可能性も聞いたこともあるのですが、今の年齢ではまだ判断ができないと言われました。

   何かいい方法がないかと日々探しています(^_^;)


【感想】
   この事例に出てくる「目の力は強い」「人の顔を覚えられない」という子供さん。おそらく、自閉症スペクトラム障害(ASD)の傾向が強いお子さんだと思われます。「目の力は強い」のはASDの「視覚優位」の特性、「人の顔を覚えられない」のはASDの「人に関心が無い社会性の欠如)」の特性の現れだと思われます。
   このような子供さんは、聴覚からの情報を理解しにくいです。その代わり「視覚優位」の特性を持っているので、目で見た視覚情報による刺激はカメラで撮影したようにその子の記憶に残ると言われています。

   そんな子供達に有効な教材が、以下に紹介する「連続絵カード」です。
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   これらは自閉症スペクトラムの子のスキルトレーニングのための絵カードです。自閉症スペクトラムの傾向が強い子供は、視覚情報の理解が得意なので、この様な絵カードは効果抜群です。もちろん文字が読めない子供にも使えます。
   しかも、3枚の絵カードがセットになっていて、「何してる?」⇒「このままなら、どうなる?」⇒「どうすべき?」を子供に考えさせるので、危険予測能力も身につきます。

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   ちなみにこれらの4つのカードは「何してる?」の1枚目のカードです。このカードを見せてこのままなら、どうなる?」と子供に問います。その後、例えば、左下の「隣の席の子の持ち物を壊してしまった」というカードの場合には、子供は「友達や先生が怒った?」という予想を答えます。ここで子供の危険予測能力が鍛えられます。そしてその後、「どうしていたらよかった?」と問われ、「物を壊すのじゃなく、言葉で『嫌なことは言わないで』と言う」等と答えます。その後、3枚目のカードを見せます。するとそこには、正しい行動の仕方が描かれています。ここでソーシャルスキルが身につきます。しかも、そのことが“”という視覚情報によって描かれているので、子供は正しい行動の仕方を「視覚優位」の特性によって確実にそのソーシャルスキルを記憶します。私は、更にこの後、1枚目のカード(問題行動)と3枚目のカード(適切行動)を伏せてシャッフルしてから改めて子供に見せてこう聞きます。「正しい行動はどちらだったでしょう?」子供は確実に正解のカードを選びます。その後「その通り!よくできました!」と褒めてまとめとします。「視覚情報」+「褒められる」という“最強コンビ”の支援によって子供は完璧に正しいソーシャルスキルを覚えます。

   このトレーニングによって、似ている場面に遭遇した時に望ましい対処ができるようになります。また、あらゆる場面のカードになっているので、自分のお子さんが問題を抱えている場面と同じ場面のカードを選んで子供に指導することもできます。
   また健常児の子供であっても、就学前の子供さんはやはり聴覚機能がまだ十分に発達していないので、このカードはやはり有効になります。

   これらの支援方法は、子供の特性(ここでは「視覚優位」という特性)を知っているからこそ思いつくものです。“子供を知る”という事はとても大切なことなのですね。