【今回の記事】

【記事の概要】
   稲田朋美防衛相が、いわゆる日報隠蔽(いんぺい)問題で辞任した。来月3日予定の内閣改造までもたなかった。過去に何度も行動や発言が問題視され、防衛トップや政治家としての資質に疑問符がついている。安倍晋三首相はそれでも稲田氏を重用し、かばい続けたあげくに破綻した
(中略)
   第2次安倍内閣では行政改革担当相として初入閣。14年に当選3回で党政調会長に抜てきされた。首相は「彼女はホープだから」と周辺に語っていた。昨年、内閣改造の「サプライズ人事」で防衛相に起用された。
   稲田氏起用について自民党関係者は「本気で首相候補に育てようとして、経験を積ませるためだった」と指摘する。ベテラン議員の一人は「首相は稲田氏と丸川珠代五輪担当相をかわいがり、2人を競わせている」と語る。
   防衛相として数々の批判を乗り越えてきた稲田氏。自民党幹部は、東日本大震災を巡る失言で即日更迭された今村雅弘前復興相の例を挙げ、スパッと首を切られた今村氏との差は何なのか。『かわいいから』しかない」と言う。稲田氏が属する「細田派」は首相の出身派閥だ。首相周辺は「自派閥だからこそ、もっと早く切るべきだった」と語った。
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【感想】
   これはゴシップ雑誌の記事ではない。天下の「毎日新聞」の記事である。更に、東日本大震災を巡る失言で即日更迭された今村雅弘前復興相を引き合いに出し、「スパッと首を切られた今村氏との差は何なのか。『かわいいから』しかない」と述べたのは自民党幹部である。言葉を間違えたと言うよりも本音が出てたというところだろう。
   全くの個人的感情から特定の議員をかばい続け自民党全体に迷惑をかけた安倍首相の行為は国民から見れば単なる“わがまま”としか言いようがない。しかもその理由が“かわいいから”とは…、失礼ながら開いた口が塞がらない。専門家によれば、「批判の集まる稲田氏だが自分が擁護すればまかり通ると誤認識してきた首相の行動は、「安倍一強」から来る“おごり”によるものと言われている。
   しかし、政治家ではない人間でも「自分は許される」と誤った認識をし他人に迷惑をかける場合がある。それは、自己愛(「自分ファースト」の考え方)」的傾向が強い人間である。特に子どもの場合は、それが「自分は他人を傷付けても構わない」という誤認識から生まれる“いじめ意識”になって現れることが多い。
   実は以前に、我が子のいじめを認めようとしない加害生徒の親が「自己愛的傾向が強いことを以下の記事で紹介している。
そんな親に育てられた子供が捻じ曲がった愛着を形成し、親と同様に「自己愛」性の強い人間に育ったとしても何ら不思議なことではない。
   ちなみに「自己愛」傾向が更に強くなると、アメリカのトランプ大統領や津久井やまゆり園殺傷事件を起こした植松容疑者に診断が下った「自己愛性パーソナリティ障害」と呼ばれるようになる。以前にも紹介したが、心理学者のコフートは、この「自己愛性パーソナリティ障害」の要因を、子供が幼少期に親からあまり褒められなかったり、話を聞いてもらえなかったりすることと指摘している。今後、世の中の目が精神科医の岡田氏が指摘する愛着(愛の絆)形成の大切さに集まらなければ、「自己愛」傾向の強い人間は更に増えていく事はほぼ間違いない。
俺のものは俺のもの。◯◯のものも俺のもの。」という迷言を残したあの“自分特別わがままキャラクター”は、友人達からいつも疎ましく思われている。現在の首相も選挙の街頭演説の際に国民から激しい「辞めろコール」を受けた。我が子が、そのように周囲の人間から嫌われない子供ひいては大人にならないために、子供が幼い頃から「子供を褒める」「子供の話を頷きながら聴く」という愛情行為を忘れずに接してあげたいものである。ちなみにこの2つの愛情行為は「愛着7」の中の2つである。

   安倍政権の支持率は急落している。いじめも誰も支持する者などいない。所詮、“わがまま”は人間社会からは受け入れられないのだ。