ある藤井四段のインタビュー記事が、棋界で話題になっている。7月3日発売の「週刊ダイヤモンド」誌に掲載された、囲碁の井山裕太・六冠との対談。六冠の、〈囲碁界では高校に行かない人が結構いて、だから、(自分は)進学せず囲碁に専念するという選択には全く迷いがなかった〉との話を受け、四段は、〈学校に行くと時間的な制約がかなり増えますので、高校進学については迷う気持ちというのはあります〉と返したのだ。
藤井四段は現在、名古屋大学教育学部附属中学校の3年生。来年4月には自動的に附属高校に進むことが出来る。それを断っての「中卒」宣言?と思えるから、周囲がビックリなのも当然か。公式戦、初の敗戦を喫した翌日だけに、驚きも二重だったのである。
昭和の時代には、棋士は中卒が当たり前。将棋に学歴は不要、そんな暇があるなら、将棋を指すべし、との考えが主流だった。しかし、「今は(プロ養成機関の)奨励会員のうち9割ほどが高校進学しているのでは」と言うのは、弟子多数、「名伯楽」として知られる、所司(しょし)和晴七段だ。「短期的なことを考えれば、研究専念のためには進学しない方が良い。一方、中長期的に見れば、規則的な生活が出来る、将棋以外での友人が増えるなど、進学にもメリットがあるのです」
また、「藤井以前」の中学生プロ棋士を見ると、加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王と、いずれも高校を出ている。こうした流れもあってか、将棋ライターの松本博文氏によれば、「藤井四段のお母さんは、高校まで行かせたいという気持ちを持っています。今の学校を選んだこと自体、中高一貫で、受験に煩わされることがないという理由だったそう。ただ、もしこのペースで対局が続けば、中学はともかく、高校ではある程度の出席日数が必要なため、両立が難しくなってくる。そこを心配していました」本誌(週刊新潮)がかつて藤井四段の母に取材した時も、はっきり「高校は出てほしい」と述べている。
【感想】 私は以前次のような記事を投稿していました。「尾木ママとお受験佐藤ママとのバトル〜両者の目的の違い〜」 この中で私は「佐藤ママの目的は、『我が子を東大に入れること』であるのに対して、尾木ママの目的は、『社会に出たときに通じる人格の確立』だと思います。」と述べています。