次に、「親の精神的な不安定さ」についてです。
   親の不安が強く、うつだったり、神経質だったりした場合に、子どもを自分の不安定な気持ちに巻き込んでしまうケースです。
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   特に、出産後にうつ的症状を経験する女性の割合は、三割程度とされ、そのうち半数は正式な「うつ病」と診断されるそうです。また、子どもが〇歳から一二歳までの間に、母親の四割がうつ的症状を経験するとも言われるそうです。(岡田2011
   前回の「愛着スタイル」の伝達と異なるのは、仮に親が「安定型愛着スタイル」の持ち主であったとしても、出産後の環境によっては精神的に不安定になる場合があるということです。それ程、出産という大仕事によって母親が受けるダメージは大きいのです。
   特に、親の喜怒哀楽がはっきりしていて、楽しそうにしている時と落ち込んだり怒ったりしている時との差が激しいと、いつのまにか子どもは親の顔色を伺いながら生活するようになります。親の不安な気分や落ち込みに過敏に反応し、子どもも同じような気分に染められるようになります。こうしたケースでは、不安型の愛着スタイルの人間に育ちやすい傾向にあります

   母親が産後うつなどによって、精神的に不安定になるのは仕方がないことです。それをサポートできるのは父親をはじめとした周囲の人達です。