【今回の記事】

【記事の概要】
   10日公表された推計人口では若干、スピードが緩んだものの、この先も厳しい少子高齢化が続く人口減少社会の姿が示された。かつて経験したことのない、超高齢社会に対応していくため、社会保障制度をはじめ、従来の少子化対策だけでない、女性、高齢者の働き方改革や外国人材解禁など、人口減を前提とした社会の仕組み作りを早急に進めることが求められている。
   今回の推計で、現役世代(15~64歳)の人口は50年後、現在より4割以上減るとされた。人口構成が激変していく中、社会の担い手をどう確保していくのか。
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   政府が昨年6月に発表した「1億総活躍プラン」。現役世代の男性に偏っていた働き手に、女性や高齢者にもより多く加わってもらい、経済活動の維持を図る狙いがある。今後、65歳以上の雇用延長も進める方針で、高齢者に、支えられる側から支える側に回ってもらいたい考えだ。高齢者となっても「引退」しない時代は目前に迫る
   
【感想】
   今回の推計で明らかになった、現役世代(15~64歳)の人口は50年後、現在より4割以上減るという余りにもショッキングな事実。働く世代が約半数近くまで落ち込むというのである。これは正に日本社会の破綻の危機である。

   政府は今後、65歳以上の雇用延長も進める方針で、高齢者に“支えられる側”から“支える側”に回ってもらいたいという考えのようであるが、その半減した現役世代の分を65歳以上の高齢者が代わりに担うことで、果たして日本社会を十分に機能させることができるのか?
   更に政府は、「人口減を前提とした社会の仕組み作り」を考えているようであるが、まるで「モグラ叩き」のような“対処療法”では、いつかは限界がくる。人口減少の原因そのものを改善する“原因療法”を施す必要がある。

   この少子高齢化に拍車をかけている原因は何か?それは「愛着(愛の絆)」の未形成であると考える。私は以前に、精神科医の岡田氏の文献を基に、次のような記事を投稿している。
この中ではおよそ次のような旨を述べている。
愛着スタイルが大きく影響するのは、その人が大人になってからの性行動や子育てだそうです。具体的には、主に虐待や非婚化セックスレスといった現象となって現れるそうです。小さい頃に愛情不足で育った子どもは、『親は自分の危機を救ってはくれない』と“親不信”の気持ちを持ち、成人後も他者に対して信頼感を持てず、人との交流に積極的にはなれません。そうなると、大人になって結婚適齢期になった時に異性に対しても信頼感を持てず、結婚というハードルを越そうとする意欲が湧かなくなってしまうのです。

   不安定な愛着スタイルでは、非婚化が進み夫婦の数は減る。同時に生まれてくる子供の数もそれに比例して減っていく仮に結婚したとしても、セックスレスの生活に陥り、子どもは産まれない愛着の未形成は確実に少子化に拍車をかけていくのである。

   今既に、夫婦関係を維持できずに離婚に至る夫婦が激増している。それによってシングルマザーとなった母親は子どもが乳幼児期の頃から我が子を他人に預けて働きに出なければならなくなる。すると、愛着形成に最も影響を与える乳幼児期の養育が十分に行われない結果となっている。
   現在のそのような環境で育てられた子どもは、今の大人世代よりも更に不安定な愛着しか得ることができず、成人となった時に、確実に非婚化セックスレスに陥り、ますます子どもを出産しなくなる。

   つまり、乳幼児期の愛着形成を軽視していると、確実に少子化のスパイラルに陥り、人口減少は確実なものとなってしまうのだ。乳幼児期養育の見直しは今すぐにでも行わなければならない待った無しの課題なのである!

   では、具体的にどの様に乳幼児期養育を見直せば良いのか?という事については、次回にお話ししたいと思う。