【今回の記事】

【記事の概要】
 A市にある公立小学校の特別支援学級で、担任を務める40 代の女性教諭が軽度の発達障害のある高学年の男子児童に体罰を加えていたことが、市教育委員会などへの取材で分かった。教諭は被害児童に体罰を受けたと言わないよう口止めしていたという。市教委や学校によると、教諭は児童が1年生の頃から頬を平手打ちしたり、髪を引っ張ったりする体罰を重ねていた学校が行った聞き取りでは、「指導であって体罰ではない。髪を引っ張ったのは明るい声を出させるためだ。」などと説明。学校もこの説明を“うのみ”にし、市教委に「体罰はなかった」と報告していた。教諭は被害児童の両親に体罰の事実が漏れたことを知った際、児童に「学校への文句を両親に言ってはだめ」と口止めしていた。学校は、体罰を認めて児童と両親に謝罪した。

【感想】
   さて、この教師は、「軽度の発達障害のある高学年の男子児童に体罰を加えていた」とのことである。障害者への体罰は、決して許されるものではない。障害の特性を無視した指導は、例えば、身体障害者に「走りなさい」と要求するのと同じことであり、「体罰」を通り越して「人権侵害」にあたる重大な問題なのである。
   また、「教諭は被害児童に体罰を受けたと言わないよう口止めしていた」とのこと。つまり、この教師は自分の行為の罪を自覚していたということである。悪いことだと分かっていながら、子供に対して体罰を加えた事は、より悪質な行為であり、許されることではない。
   また、「教諭は児童が1年生の頃から頬を平手打ちしたり、髪を引っ張ったりする体罰を重ねていた」とのこと。体罰を受けていた男子児童は、現在高学年であり、その児童が1年生の頃から何と5、6年もの間、平手打ちや髪を引っ張られる等の体罰を受け続けてきたのである。
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その間、何年にもわたり体罰を続けてきたわけであるが、この間、管理職は校内に存在していたこの実態に気がついていなかったのだろうか。「学校もこの(教師の)説明を“うのみ”にし、市教委に『体罰はなかった』と報告していた」とのことであるが、一つの校舎の中で長年に渡ってこれだけの激しい体罰を繰り返していたのだから、気がついていないわけがない。おそらく、気がついていながら、体裁上“うのみ”にしたことにしたのではないだろうか
   では何故、気付いていながら、黙認してきたのだろうか?実は、このように発達障害児に対して感情的になるタイプの教師は、管理職の指導を受け入れない場合がある。管理職にさえ感情でぶつかっていくのである。管理職はその教師の怒りをかい、校内に必要以上の揉め事を増やしたくないために、そのままにするしかないのである。
   このような大人のつまらない“個人的感情”や“体裁”のために、今回の記事のような苦しい思いをする子どもが出てくるという本末転倒の現象が起きるのである。

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   特に、特別支援学級や特別支援学校の子供は、自分から親に担任教師からの体罰について報告する事はほとんどないので、親御さんはよほどの注意が必要である。
   また、学校に対して遠慮してはいけないそうすることによって、一番苦しむのは子どもなのだから