【今回の記事】
「スマホほしい」せがまれ悩む親 小学生の4人に1人は所有 まずはリスクやルール話し合って

【記事の概要】
   スマートフォンを持つ子どもが増えている。内閣府が2015年に行った調査によると、小学生(満10歳以上)のスマホ所有率は24%で、4人に1人に上る。便利な半面、使い方を誤ればトラブルや依存症に陥る危険もある。安全に使うため、リスクや対策について家族で確認しておきたい。
   東京都が同年行った調査で、スマホ購入の理由を複数回答で聞いたところ、「子どもの所在地が分かるようにするため」(32%)と並んで最も多かったのが「子どもにせがまれたため仕方なく」(同)だった。
   NTTドコモ九州支社(福岡市)のスマホ・ケータイ安全教室インストラクター高尾千寿さんは、「子どもの言うままにすぐに買わず、まずはリスクやルールについて話し合ってほしい」と助言する。
   具体的なリスクは、(1)誹謗中傷やネットいじめ(2)個人情報漏えい(3)スマホ依存(4)歩きスマホによる事故‐など
   メディア依存相談窓口がある心療内科「こころころころクリニック」(福岡県篠栗町)には、小学生の保護者からの相談も少なくないという。「刺激の強い動画などを次々に見ているうちに依存状態に陥るケースが増えており、学校に行かなくなる例もある」とカウンセラーの山田眞理子さん(65)。「子どもにスマホを持たせるのは、免許がないままスポーツカーで高速を走らせるようなもの本当に必要か、家族で丁寧に話し合いを重ねてほしい」と話す。

【感想】
   子供はただ単に「周りの友達が持っているから」「ゲームがしたいから」「友達とメールのやりとりがしたいから」などのような単純な理由だけで親にせがんでくるケースが多いように思います。ですから、まずは「本当にスマホが必要なのか?」「なぜ必要だと思うのか?」を子供に問いただす事は必要です。それに対してきちんとした理由が話せない子供は興味本位だけでせがんでいる子供です。

   次に子どもに聞かなければならないのは、「スマホを持つことでどんな危険があるのかを知っているか?」ということです。ネットいじめでは、ネット掲示板、ツイッターや LINE などの SNS、パソコン・携帯電話のメールなど、様々なツールが使用されます。また、被害内容には、悪口・中傷・脅しなどの言葉の暴力、個人の秘密や情報の流出、無視・仲間はずれなどが挙げられています。
   子供がスマホを持った場合、特に心配な事はこのネットいじめです。特に、大人の目が届かないネットの世界では、子供は普段のストレスも手伝って往往にして普段以上に残酷な考えを口にするものです。ですから、友達同士でネット掲示板やLINE等を介して友達とやりとりをしていると、必ずと言っていいほど話題は誰かの悪口に及びます。その時にもしも、友達から「あなたはどう思う?」等と質問されたら必ず何らかの返答を返さなければなりません。なぜなら、それを怠ると「無視された」と思われて、場合によってはいじめの対象となることがあるからです。また、何らかの返答を返したとしても、相手と違う意見を返した場合、相手によっては「反対された。ムカつく!」と気分を害して、これも仲間はずれの原因となる場合があります。逆に無理に相手に同調すると、ズルズルといじめの加害側の仲間になってしまいます。そうなってしまってからスマホの使用を辞めたとしても、やはり「勝手に仲間を抜けた」と思われて学校でいじめに遭う危険も十分考えられるのです。また、相手を選んでやり取りしようと思っても、敬遠している友達からネット仲間に誘われた時にそれを断る勇気が子どもにあるでしょうか?
   つまり、ハッキリと意思表示ができる子供でないと、とても辛い経験になってしまうのです。

   それらのリスクを分かった上でも、スマホを持ちたいと思う理由が果たして子供達にはあるのでしょうか?その点について、子供自身が自分で考える事に意味があります。
   また、子どもにそれらのリスクについて分からせておく責任は学校にあるのではありません。買い与える親にあるのです。

   なお、子供にスマホを持たせるタイミングについては、以前に以下の記事でお話ししてあります。URLタップにてご参照ください。
子どもにいつからスマホを持たせる? 〜「この子に今渡すとダメになる」〜

正に、「この子にスマホを渡すとダメにならないか?」を見極めるのは親の仕事なのです。