【今回の記事】

「助けて!きわめびと」


【記事の概要】

   NHK総合の「助けて!きわめびと」の今日の放送で、子供を褒めるための方法を特集していました。

   その中の1つに、専門家の方監修による叱るポイント=ほめるポイント」という極意が伝授されました。それが『でもね』の法則」という方法です。どんな方法かというと、子供に対してどうしても叱りたくなったときに、叱り言葉の後に「でもね」と続け、その行動の中にある良さを褒めるというものでした。これで子供も親もお互い嫌な気持ちを引きずりません。

   例えば、子供が本読みに夢中になって晩御飯の時間になってもなかなかテーブルの席につこうとしないというような時、「早く席に着きなさい!」だけで終わらずに、その後に「でも、本読みをたくさんする事はいいことだね」と褒めるという事例が紹介されていました。

   またこんな事例も紹介されていました。子供たちが兄弟喧嘩をしていたとき、「兄弟喧嘩はやめなさい!」と言った後に、「でも、元気があるのはいいことだ」と褒め言葉を続けるのだそうです。


【感想】

   私はこの方法を見ていて感じたことが2つありました。

   一つは、この方法で子供に声をかけるときには、叱った後にどんな褒め言葉を続けるかという考えを用意してから声をかけるべきだということです。何故かというと、子供の問題行動に気がついて反射的に注意してしまうと、その後に続けるべき褒め言葉が出てこないということが起きそうだからです。

   もう一つは、「叱る」と「褒める」の順番についてです。「『でもね』の法則」では、「①注意する②褒める」という順番になっています。このことについて心配なのは、始めの“叱り言葉”で反射的に心を閉ざしてしまう子供がいるのではないかということです。つまり初めに注意してしまうと、その後に褒め言葉を続けても、心を閉ざした子供には褒め言葉が響かない場合が考えられるからです。特に幼い子どもの場合は、親に対して反抗的になることが多いので、特に注意が必要だと思いました。

   そこで、私はその順番を逆にしてはどうかと考えました。つまり、①注意する②褒める」ではなく、「①褒める②注意する」にするということです。この考え方は、中京大学で退官された鯨岡峻先生の「子どものありのままの姿を受け止めれば、子供はあるべき姿に向かって伸びようとする」という考え方を基にしています。つまり、始めに子どものありのままの姿を受け止めてあげると、子供はその大人に対して心を開き、行動を改めやすくなるのです。この「子どものありのままの姿を受け止める」ということが、今回の“褒める”行為に当たります。

   先の事例に当てはめて言うと、「早く席に着きなさい!でも本読みをたくさんする事はいいことだね。」ではなく、微笑みながら子供に近づき、「熱心に本を読んでるね。でも夕ご飯だから本を読むのをやめようね。」と。また、「兄弟喧嘩はやめなさい!でも、元気があるのはいいことだ」ではなく、やはり微笑みながら子供達に近づき、「ずいぶんと元気がいいねぇ。でも兄弟喧嘩はやめようね」と言うのです。どうでしょうか?この方が子供の心にすんなりと響くような気がします。

   また、このように褒め言葉を先に言うと、その時点で既に親の言い方が穏やかになっており、その後の叱り言葉の刺激が強くならずに済むと思います。

   なお、これら一連の親の言動の中には、「見る」「微笑む」「穏やかに話しかける」「褒める」という、子供の心を安心・安定に導くセロトニン6」の6つの支援のうち4つも含まれているので、例えば「イヤイヤ期」の子供さんでも気持ちを落ち着かせながら行動を改めることができるのではないかと思います。なお、この「セロトニン6」については、以下の記事のURLタップにてご参照ください。

勝ちにこだわり続けた息子の変化 〜子どもの気持ちを安定させた、お母さんの『セロトニン6』!〜

http://ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12205139118.html?frm_id=v.jpameblo&device_id=8e57e0d77be746968fd7308a6a625313