(この「愛着の話」は精神科医の岡田尊司氏を中心に、各専門家の文献を、内容や趣旨はそのままに、私が読みやすい文章に書き換えたものです)
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   愛着スタイルが大きく影響するのは、その人が大人になってからの性行動子育てだそうです。ある実験によると、母ザルに育てられなかった子ザルは、正常な異性愛を発達させることができないことが少なくないそうです。この問題は、人間の場合には、主に虐待や非婚化、セックスレスといった現象となって現れます
   母ザルに育てられなかった子ザルと同様に、乳幼児期に親からあまり構ってもらえなかった人は、他人との交流を避けがちで、恋愛対象との絆を何としても守ろうとする意志が弱い傾向にあります。それは、まだ自分では何もできないほど無力で幼かった頃に、どんなに親を呼んでも自分のところに来てくれなかった生死に関わる危機を経験したことによって、愛着対象を求めることを本能的に諦めるよう自分を変えてしまったためなのです。
   更に、「親でさえ自分を守ってくれなかった」という不安感が、成長の過程で未来に対する絶望感や環境に対する怒りに変わり、誰かと心から人生を楽しむことができなくなります。また、「誰も自分を守ってくれなかったのだから、自分のことは自分で守らなければならない」という意識が生まれるために、他者を信頼して積極的に交流しようという気持ちが薄れていきます。そのため、大人になって結婚適齢期になったときに、異性に対しても信頼感を持てず結婚というハードルを越そうとする意欲が湧かなくなってしまうのでしょう。

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(以下遠藤による)
   日本は今、「少子化」という深刻な問題を抱えています。その問題を根本から解決できるのは、生後1歳半迄の養育における「愛着(愛の絆)」の形成であり、今後もこの問題に拍車がかかるようであれば、33年後には社会インフラが崩壊した日本社会が待っているでしょう。

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