【今回の記事】

【記事の概要】
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ママっ子」男子とは「母親と、とても仲がいい男子」の意味。 また、「ママ充」とは「ママとの仲が実している状態」のこと。
   また母親も、もし娘がいたら一緒にしたかったことを「息子にしてしまう」ため、ママっ子男子が、さらに増え続けているという。
 「ママっ子」男子や「ママ充」男子の特徴は以下の通り。
・ママと二人で、買い物や食事に行く等、母親と「デート」する。
・支払いを母親がしてくれる。
・服を買うときは、ママが選んでくれる。
・母親と二人で旅行に出かける。
・母親のことを「下の名前」で呼ぶ。
・困ったことがあると母親に電話する。
・些細なことでも母親にメールを送る。
息子に「反抗期」がないことが多く「思春期」を過ぎた後も、まるで母親と「恋人のような」状態になっている。
・「友達や恋人よりも親が大事」と思っている。

「親離れ出来ない子」と、親が子を支配し続ける「子離れできない親」。「お互いに依存する」友達親子に陥ってしまう恐れがあります。…子どもが親の知らない世界で友達を作り、巣立っていくのは親としては寂しいものです。でも、それも子育ての過程。いつまでも「着せ替え人形」だったら困ります。「もう、私が居なくても生きていける」と思えること。これこそ、本当の自立です。
   息子が「ママ充」などと表現するような「ママと仲良しの状態」をいつまでも続けていると、ひょっとしたら「自立できない大人」が出来上がってしまうかもしれません。親の方も「今はまだ大丈夫、いいんだ」と考えていても、今後将来、果たして本当にちゃんと「子離れ」ができるのか…? あと将来、息子さんが「冬彦さん」になってしまわないように…。

【感想】
「ママっ子男子」「ママ充」。なぜ、このような若者が増えてきているのでしょう。記事の中では、そのことについては触れられていませんが、ここでは私なりの考えをお話ししたいと思います。

   子育ては、子供が生まれると、まず、0歳から1歳半までの「愛着形成」という課題、次に、2、3歳頃の「母子分離」という課題があります。仮に「愛着形成」が上手くいっても、その後の「母子分離」が達成されないと、子どもは母親に受容されたままの「母子一体化」の状態となってしまうのです。「ママっ子」男子や「ママ充」男子が生まれる原因としては、この「母子分離」の失敗が考えられます
   母親の受容力は大変強い(一度子供と離れそうになっても再度引き戻そうとする力が働く)ため、この「母子分離」を達成するためには、母親の力だけでは難しいと言われています。上記記事で、母親が「もし娘がいたら一緒にしたかったことを息子にしてしまう」と紹介されていましたが、男女構わず自分のおもちゃにしようとするその気持ちこそが、母親の受容力の強さを象徴しているのではないでしょうか。
   そこで必要になるのが、父親の「父性」による外社会への導き(社会化の働き)なのです。具体的には、父親が母親から子どもを預かり、一緒に遊ぶという形で行われます。つまり、「母子分離」の成否は「父性」の働きが鍵を握るのです。
   すなわち、子どもが「母子分離」の課題を達成すべき2、3歳の頃に、何らかの理由で「母性」だけが働いて「父性」が働かなかった場合は、「母子分離」が達成される事は難しいでしょう。
   昨今は、母子家庭が増えてきていますが、①離婚時期が「母子分離」時期以前である(「母子分離」時期に既に父親が不在である)場合には、そのことが有力な要因と考えていいでしょう。また父親がいたとしても、②父親が育児に協力的でない場合は、父親は特に何も働きかけを行わないでしょう。さらに、仮に「母子分離」が達成されたとしても、③その後夫婦が離婚したり、家族の中に父親の立場が弱い「序列化」の現象が生まれたりしてしまうと、一度分離したはずの母子がまた一体化してしまう危険も考えられます。これらの様々な「父性」が働かなくなる要因が一つでもあると、母子分離は達成されず、いつまでも母と子は一体化したままになるでしょう。
   今は昔に比べて、離婚する夫婦が多かったり(上記①、③に影響)、不安定型の愛着スタイルの父親が増えていたり(同②)、家族の中の父親の立場が弱い家庭が多かったりする(同③)ために、特に「ママっ子」男子や「ママ充」男子が生まれやすい時代になっていると言えるでしょう。
   
   いつも母親を頼りにしている「ママっ子」男子や「ママ充」男子の子どもは、将来大人になったときに自分の考えを自分で決めれなかったり、直面する困難を自力で解決出来なかったりする「自立できない大人」になってしまうでしょう。
   そうならないためにも、母親の“子供からの自立”が必要です。そのために「見守る。任せる。命令しない。」という「自立3支援」が必要になるのです。このことについては以下の記事のURLタップにてご参照ください。

   なお、この女性版については以下の投稿で紹介しています。ご参照ください。