全国の多くの小中学校で3学期がスタートし、学校に子供たちの元気な声が帰ってきました。
   しかし、子供が登校しぶりの症状を見せるのも、実はこの新学期の始まりの頃が一番多いのです。この時期の登校しぶりの原因は大きく分けて2つあります。
   一つ目は、生活リズムに関することです。冬休み中に生活リズムが乱れた子供は、朝起きるのが難しく決められた時間までに登校することが難しくなります。そうなると、朝の会の途中や1時間目の途中に教室の中に入っていかなければならなくなります。子供にとっては、その時のみんなの目が怖くなります。そして登校しぶりが始まるのです。
   もう一つは、いじめに関わることです。先学期のうちから友達から意地悪や嫌がらせをされていた子供にとっては、その友達とまた出会い、同じ教室の中で生活をしなければいけません。そして、再びいじめが始まると登校をしぶり始めます。冬休みの間中会わなくてもよかっただけに、その環境の変化についていけなくなるのです。

   いずれの場合も、大切な事は、できるだけ早く発見し、そして、できるだけ早く対応するということです。長引けば長引くほど、子供はその底なし沼から脱出できなくなってしまいます。そこで、この時期は特に大人による子供の観察が必要になります。
   以前子供が登校しぶりの症状を見せたときの対応の仕方を以下の記事にして投稿したことがありました。URLタップにてご参照ください。ちなみに記事は①から③まであります。
いじめ指導① 〜子供が学校に行くのを渋り始めたら?〜

   合わせて、いじめをされていた子供が、この時期にまたいじめをされ始めるという事は、逆に言えば、いじめをする側の子供もこの時期に現れるということです。そして、その子供が「我が子ではない」という保証は全くありません。このことについても、以前以下のような記事を投稿してありました。URLタップにてご参照ください。なおこの記事も①と②があります。
我が子がいじめの加害者になっていたら、親は事前に気づくことができるか? ①

   なお、ある専門家が「いじめは、いじめる側の子供のストレスの発散が要因である」と述べています。つまり、いじめをする子供は、特に冬休み中に家の人から強く叱られた子供等に多いと考えられるのです。もしも、心配な面があるという場合には、特に注意が必要です。このことについても以前に以下のように記事を投稿してあります。URLタップにてご参照ください。
「『いじめは加害者のストレスによって起きる」』〜いじめ加害者を育てる環境とは?〜

   岩手県内では、今日、高校1年生の男子生徒が貨物列車にはねられ死亡しました。現時点では事故か自殺かはっきりしていませんが、この生徒は昨日学校を欠席していたとの事でした。自殺の可能性も否定できません。そのようなことにならないうちに早期に対応する必要があるのです。