【今回の記事】
①虐待児童、最多2.4万人=上半期4割増、半数「面前DV」―警察庁
②「1歳の目の前で妊娠中の母殺す…懲役21年」

【記事の概要】
①今年上半期(1~6月)に全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもの数が、前年同期比7287人(42%)増の2万4511人に上ったことが15日、警察庁のまとめで分かった。
   その中で、母親らが暴力を振るわれるのを目の当たりにする「面前DV」が6割も増え、全体の半数近くを占めた
   通告内容は、暴言を浴びせられるなど「心理的虐待」が最多の1万6669人(50%増)で、うち面前DVが1万1627人に達した。この他、「身体的虐待」が5025人(29%増)、育児放棄などの「ネグレクト(怠慢・拒否)」が2688人(25%増)、「性的虐待」が129人(37%増)だった。
②大阪府豊中市で妊娠中の女性を殺害したとして殺人などの罪に問われた無職の男に対し、大阪地裁は懲役21年の実刑判決を言い渡した。
   判決によると、無職の上原亮宏被告(55)は去年5月、豊中市のマンションで滝畠裕美さん(当時33)をサバイバルナイフで何度も突き刺し殺害した当時、滝畠さんは妊娠中で、息子(当時1)の目の前で襲われた
   14日の判決で大阪地裁は、「1歳の長男が泣き叫ぶ中での犯行で冷酷非道」「遺族は、生まれてきたはずであろう子どもを失った」と断罪。懲役21年の実刑判決を言い渡した。

【感想】
   さて、虐待にあった子どもの半数が体験している「面前DV」。昨年には、大阪府豊中市で、1歳の子どもが目の前で自分の母親がナイフで何度も突き刺され殺される様を見せられるという事件まで起きている。
   この始まりは、父親が日常的に子供の前で母親の悪口を言うことである。普段から子どもの前で夫が妻の悪口を言っているうちに、ある日を境に、子供の前で、力が強い父親が母親に対して暴力を振るうようになるのである。 
   特に母親は子供にとって、自分を受容してくれる「安全基地」的存在である。そのため、その母親が暴力を受けている姿を目の当たりにすることは、まるで自分自身が傷つけられているような錯覚に陥り、子どもの心に傷を残す、正に「心理的虐待」となると考える。特に大阪府で起きた事件では、この子どもにとってはあまりにも衝撃的なトラウマとなって一生苦しみ続けるだろう
   一度心についた傷はなかなか癒えることはない。だからこそ、“プレ「面前DV」”ともなる子どもの前での夫婦喧嘩は、極力避けなければならない。

   もちろん、父親と母親が互いの悪口を子どもの前で言い合う事は、今回のような父親によるDVを生むだけでなく、本来「父性」や「母性」それぞれが果たすべき役割が果たされないために、様々な悪影響を子どもに与える。この事は、以下のと投稿記事でも本ブログでも扱ってきた。ぜひ参照していただきたい。
父親の言うことしか聞かない子供、母親の言うことしか聞かない子供。(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12196305570.html)」

   ぜひ、子どもの前だけでは、親のもめ事は控えていただきたい。