【今回の記事】
増加傾向の小中学生のテレビゲームプレイ時間と学力テストとの相関関係

【記事の概要】
   記事中に、平日にテレビゲームをする時間区分別に、学力テストの平均正答率を示した“棒グラフ”(「平日にテレビゲームをする時間と、教科の平均正答率との相関関係(小学生)(2016年度)」)が提示されている(記事中では4つ目と5つ目のグラフ)。このグラフを見ると、美しい程の階段状の滑らかな曲線ができている。一箇所として、「テレビゲームの時間は長いのに正答率は高くなっている」という“逆転現象”は起きていない。(詳細は上記URLタップより)
   なお、記事では、「あくまでも(TVゲームの時間と教科正答率との)相関関係を表したにすぎず、因果関係を証明したわけでは無い。つまり『ゲームのし過ぎはテストの成績を悪くする』との証明にはならない。」と断っている。
   また記事では、「平日で1日4時間以上もゲームで遊んでいれば、その他の行動をする時間は圧迫されるのは必然的。それが睡眠の時間か、勉強の時間かまでは個々の事情によるが、いずれにせよ勉学にとってマイナスとなることは容易に想像ができる。」と述べている。
   更に記事では、「『1時間未満』と『しない』との間の差がほとんど無いことから、平日でも息抜き程度の(1時間以内の)ゲームはほぼ影響を与えないものの、1時間を超えると確実に時間の伸びと共に正答率が落ちていくことから、何らかの因果関係もあることは容易に想像ができる。」と指摘している。

【感想】
   この記事からの収穫は主に2つ。
   1つ目は、言わずと知れた「TVゲームはやり過ぎるほど成績は下がる」という事実が示されたことである。記事では、あくまでも(TVゲームの時間と教科正答率との)相関関係を表したにすぎず、因果関係を証明したわけでは無い。」と断ってはいるが、最後に「1時間を超えると確実に時間の伸びと共に正答率が落ちていくことから、何らかの因果関係もあることは容易に想像ができる。」と指摘している。つまり、先に指摘した通り、一箇所として、『テレビゲームの時間は長いのに正答率は高くなっている』という“逆転現象”は起きていないのは、単なる偶然によるものではないということである。
   2つ目は、平日でも息抜き程度の(1時間以内の)ゲームはほぼ影響を与えない」という指摘である。親はとかく、「ゲームをしている暇があったら勉強しなさい」「ゲームは土日の休みの日だけ」と言いがちであるが、「平日の5日間息抜きなし」というルールは言う方にとっては簡単であるが、言われる子どもにとっては、いかに「学生の本分は学業である」と言われても、かなり辛いものがある。私達大人でさえ、平日でも何らかの息抜きはしているものである。何事も無理のしすぎは良くない。逆に、間に息抜きを挟むことによって、勉強の集中力が上がるはずである。どうぞ、「平日でも1時間までならいいよ。ただし、守れなかったら、平日のゲームは無しにするよ」と、“罰の予告”を含めて伝えてあげて欲しい。この「予告」が子どもの“心の準備”を促し、愛着不全を防ぐのである。この事については、以下の投稿を参照ください。
子どもが「愛着障害(愛着不全)」にならないためには、どんな叱り方が良いのか?

   大切なことは、「◯◯はダメ!」的発想ではなく、「◯◯と上手に付き合う」的発想である。前者からは、子どもの不満やストレスしか生まれないが、後者からは、集中力「時間を守る」という子どもの我慢強さが生まれる。