【今回の記事】
熊本・秀岳館「地震」と「批判」に耐えた夏を終えた…「最高の場所だった」

   記事によると、高校野球全国大会に出場した熊本・秀岳館(熊本)は、“県内出身選手ゼロ”に対する強い「批判」に遭っていた。ベンチ内に熊本出身の選手はゼロ。3年生全体でも40人中4人しかいない。県大会から、勝ってもヤジを受けた。全国大会で、3回戦突破を決めた直後、校歌を歌っている時にもかかわらず、「秀岳館、帰れ!」とスタンドからヤジが飛んだとのこと。つまり、以前投稿した吹奏楽部の事とは別件です。

   まず言いたいのは、子供たちには何の責任もないということである。試合に勝利し、校歌を歌っている最中にヤジを飛ばされては子供たちがあまりにもかわいそうである。
   ヤジを飛ばされるべきは、そのようなスカウトシステムを実施した学校であり、県外留学に同意した親たちである。子供たちは、そのような大人たちが敷いたレールの上を必死に走っているだけである。

   まず、この学校の決断のあり方については、先にブログで投稿した通り、学校側、特にトップの都合で物事が決められているように感じる。優秀な結果を残したいというトップの強い意志が働いている印象を受ける。結果至上主義の極みであり、子供たちに対する悪い手本である。
   しかし、高い結果だけを追い求める過程においては、何かしらの“あつれき”が生まれるものである。時々、高校野球の全国レベルの名門校で部内のいじめや喫煙暴力などを理由に大会を辞退すると言うニュースを聞く。これは、“結果至上主義”で行動している大人の「無理」強いに子供がついていけなくなり、それによってストレスが増したことによって起きている事例だと私は考えている。県外留学のような「無理」のかかる指導体制を敷いているのは、通常の高校よりも飛び抜けて高い目標を設定しているためであって、その学校の指導者の下では、直接子供たちに「無理」をかけることになるのである。

   また親たちの、「子供の活躍のためならば県外留学も辞さない」という考え方にはあまり賛成できない。最近は、勉強面でも、子供がいい大学やいい高校に入るためであれば、家の手伝いもさせず、勉強だけに専念させる親が増えてはいないだろうか。スポーツでも勉強でも、我が子が活躍する姿を見たいがために、親から「子供第一」という過保護な扱いをされている子供が増えているように感じる。例えば、食事の時などにも、運動部の部活動でレギュラーに選ばれるための体作りにと、親が自分の分も食べなさいと勧めるようなことが繰り返されると、子どもはいつの間にか、親の分まで食べれることが当たり前だと錯覚するようになる(実話です)。このように、大人がいつも子供に合わせてあげていると、子供はいつの間にか、大人が自分に合わせてくれるような錯覚に陥り、その結果、自己中心的な考え方を持った人間に育ってしまう危険がある。中国の「小皇帝」の問題https://mamanoko.jp/articles/19295)がそのことを如実に物語っている。教育とは、大人が子供に合わせるのではなく、子供が大人社会のやり方や流れに合わせられるように導き、将来1人の社会人として自立させる営みなのである