【今回の記事】
ブラジル人の「ナチス並み」観戦マナー、仏選手が批判

   記事によると、男子棒高跳びで銀メダルを獲得したフランスのルノー・ラビレニ選手が、観客から自分に浴びせられたブーイングややじの嵐をナチス・ドイツになぞらえて非難したことを受け、五輪組織委員会は、ブラジル人の観戦マナーに問題があったことを認め、改善策を取る意向を表明したとのこと。ラビレニ選手はブラジルの観客の態度についてこう話している。
本当に気分を害した。観客の悪意を感じた。僕たちのスポーツでは、ああいう光景は絶対に起きない
五輪であんな光景を見るのは最悪の気分だ
敬意もフェアプレーもない。これは五輪だ。五輪で敬意がなかったら、どこで得られる? スタジアムにいたブラジルの観衆には、非常にがっかりさせられ、悲しい気分になった
しかし、ラビレニはその後、試合直後で気が立っていたとして、自らの発言について謝罪している。

   また、記事とは関係ないが、卓球の男子団体決勝戦、日本対中国戦でのこと。試合は4試合目のシングルスで決着がついた。中国チームでその4試合目に出場したのは、世界ランキング第1位の    馬龍選手で、この決勝戦でも並外れた強さを発揮し、一方的なストレートで勝利をものにした。しかし、馬龍選手は、その第4試合目が終わった瞬間、「何だい、手応えないね」とでも言いたげに、両方の手のひらを上に向けて首をかしげるポーズをとっていた。これは、相手の選手を侮辱する失礼な態度である。実力は世界一かもしれないが、心は未熟である。このような選手のことは真のアスリートとは呼ばない。

   これらブラジルの観客や馬龍選手の態度は、いずれも、他国の選手を尊重する気持ちが欠如していることを表している。そしてそのことは、両国の教育の力が不足していることの現れでもある。他国に比べて、普段から家庭や学校で「他者を尊重する」ということについての指導をあまり受けてないのではないか。ちなみに、先ほどの中国では現在、今大会のメダル数の少なさに対して国内から「今年(の五輪)はひどすぎる」「金メダルを取らなかったということは旅行に行ったの?」「スポーツは平和時においての戦争だ。わが国の準備やスタイルが前時代的であるということだ」等の選手に対する大バッシングが起きているそうだ。国のために必死で競技している選手に対してでさえ、そのようなバッシングをするのである。そんなところにも、中国の“他者に対する尊重意識の弱さ”が表れている。
   ちなみに、以前このブログで、日本柔道チーム大野翔平選手の、「礼に始まり礼で終わる」という、相手を敬う礼儀正しい態度について紹介したことがある。「柔道 小野選手 〜“2つの哲学”がもたらした真の柔道家〜」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12189131496.html)をぜひご覧いただきたい。日本柔道の、そして日本の素晴らしさが分かっていただけると思う。