【今回の記事】
【卓球】美誠「先輩2人(愛&佳純)を手ぶらで帰らせるわけには」

   私は昨日、このブログで「福原愛がメダルを取れなかったのは石川佳純との“不仲”のせい?  」という記事を投稿した。
   ちょうどその後、卓球の団体戦が行われた。始めはシングルスが二本行われる。日本では一人目は石川佳純、二人目は伊藤美誠だった。その時に私が気になったのは、監督や待機している選手が座っている日本陣地の様子だった。
   ひとりめの石川が出場しているときは、福原の姿は陣地にはなかった。そして二人目の人が伊藤が出場しているときには、陣地に福原の姿はあったが、空いている石川の隣の席には座らず、ずっと陣地の後ろに立っていた。しかも、石川とは離れた監督側のほうに。普通ならば、チームの主将たる人間は、ずっと陣地に座り仲間の競技を応援するものではないのか?私は、「不安型」の愛着スタイルを持っているであろう福原が、「石川の応援をする勇気が出ない」「石川の隣に座る勇気が出ない」と考えての行動なのか?、それともどこかでウォームアップをしているのか?(でも今日の団体戦では、シングルスの2番目に出場する予定の石川が、シングルス1番目で競技している福原を応援していた。これはもしかしたら2人の間のわだかまりがなくなった証だったのかもしれない。)と、あることないことを考えてしまい、正直、競技の様子どころではなかった。

   競技後、3人はメディアからインタビューを受けた。その中で伊藤は次のような発言をした。
先輩2人を手ぶらで帰らせるわけにいかないんで」。
これは、12年ロンドン五輪で松田丈志が「(北島)康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」と話した言葉を、パクった言葉である。これにはさすがの福原と石川も大笑い。この時、福原と石川は、このように当たり前に2人で一緒に笑うことの有り難さを感じていたのではないかと思う。昔から「子は鎹(かすがい)」と言う言葉があるが、「子は鎹」ならぬ「美誠は鎹」であった。
   しかし、その伊藤も少なからず、先輩2人の不穏な関係については何かしら感じるものがあったはずである。もしも、その2人を案じてあのセリフを発言したとしたら、伊藤はとても優しく賢い子である。逆に、そのような意図はなく発言していたとしても、実にユーモアのある楽しい子である。
 「不安定型」の愛着スタイルを持つであろう先輩2人の仲を取り持った太陽のような存在の伊藤は、私の見る限り間違いなく「安定型」の愛着スタイルを持つ人間である。
   伊藤はまるで太陽のような子である

P.S
   今日卓球団体の2回戦が行われた。昨日の伊藤のユーモア溢れる発言によって気持ちが軽くなったのか、今日の福原の表情はとても生き生きとしていて、プレーにもキレがあった。実況のアナウンサーも、「笑顔が増えてきましたね」と評価していた。「不安型」の愛着スタイルを持つ人間から、「不安」が取り除かれれば、そこに残るのは「安定型」の愛着スタイルと同等のものになるのである。
   また、石川も、今日の団体戦後のインタビューの際に、「これからも3人でがんばっていきたいです」と、迷いが吹っ切れたような生き生きした表情で話をしていた。