以前投稿した内容に大切なことを付け足しました。そこで、あえての再投稿です。

   先日某テレビ番組で、タレントが、街中で出会ったある高校生に、その子の母親に電話をかけさせて、自分のことをどう思っているかを聞かせるという企画の番組を放送していた。タレントから声をかけられた女子高校生は言われた通り母親に電話をかけ、「お母さん私のことどう思う?」と母親に聞いた。すると母親は多少驚いた様子を見せたが、はっきりと「お母さんはあなたのことが好きだよ。愛してるよ。」と答えてくれた。それを聞いた高校生は涙ぐみとても嬉しそうにしていた。しかし、普段の生活の中では、我が子に「好きだよ」とか「愛してるよ」とか自分の気持ちを伝える場面はなかなか無い。

    話は変わるが、「条件付きの愛」という言葉がある。これは、何かができたときだけしか褒められない、愛されないと言う意味である。裏を返せば、失敗をしたときには激しく叱られると言う場合が多い。このような親に育てられた子どもは、他者からの愛情に飢え、人からの評価を気にしながらいつも不安な気持ちで生活する大人になる場合が多い。
   しかし、親は子供が何かがよくできた時には褒め、失敗をした時には叱るというのが一般的だろう。褒めることによって、親の愛を伝えることはできそうだが、果たして、失敗をした時に親の愛を伝えることなどできるのだろうか
   実は、「失敗をした時に親の愛を伝える」ことは可能である。それは、子供を叱った後に、
そんなことするのは、おまえらしくないぞ」「あなたはお母さんの大切な子供なの。だからこそあなたには正しい心を持った人に育って欲しいのよ。
と言う。また、テストの点数が悪かった時でも「何?この点数は?!😡」ではなく、
この次はあなたの本当の力が出せるといいね。
と言う。
そうすれば、子供は親に対して「自分のことを信じていてくれる」と親の愛を感じるだろう。つまり、「本当の我が子らしさを信じていることを子どもに伝えるのである。
   ちなみに、「どんな時でも、どんなあなたをも愛している」と言う気持ちを「無条件の愛」と言う。いいことした時はもちろん、失敗した時も我が子を大切に思う。その愛に包まれながら育った子供は安定した人格を持つ立派な大人に育つ。なぜならば、その子の心には、いつでも、どんな自分をも自分を愛してくれている親の存在、それこそがいつでもその子を支え守ってくれる心の「安全基地」があるのだから。(番組で見た女子高生について言えば、「私には私を愛してくれているお母さんがいるんだ!」という気持ちがいつまでも彼女自身を支えるに違いない。)
   ところで、その「どんな時でも、どんなあなたをも愛している」という「無条件の愛」。実は、これまでの話の中に、大切な部分が抜けている
それは「普通の時はどうするか?」ということである。人は、いいことをする時や失敗する時よりも、何もない普通の時の方が圧倒的に時間が長い。その時には、親の愛をどのように伝えればいいのだろうか?
   そのことについては、実は過去にブログで紹介している。それは、
愛着形成のやり直しの仕方 その2
の投稿である。「愛着形成」とはもちろん親子の間に「愛の絆」を作ることであり、それはすなわち親の愛を伝えることでおる。また、「やり直しの仕方」とはあるが、もともとは、複数の専門家が提唱する愛着形成の方法を元に、共通するものをセレクトしたものである。小中学生の頃の愛着形成のやり直しの方法は、乳幼児期の愛着形成の方法と同じことを繰り返すだけなので、双方の方法は同じなのである。
   つまり、「愛着形成のやり直しの仕方 その2」で紹介している方法が、何もない普通の時の愛の伝え方なのである。ぜひ、ご参照ください。

   様々なトラブルに巻き込まれていながら親に相談できず不適切な行動に走る等、特に思春期の子どもは、心が不安定になりやすい時期である。それだけに、親子の間の“愛着”(愛の絆)を強めておきたい