http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160616-00000039-mai-base

   イチローが通算安打世界一となった。試合後のインタビューで、私はおそらく初めて彼の涙を見た。それは、記録についての話題の時ではなく、自分が小学生の頃、そして大リーグに移籍する時の思い出にふれた時のことだった。記事にあるように、周囲の人達から、「そんなこと無理に決まってるだろう」と笑われたことがすごく悔しかったそうで、それを達成出来てよかった、と目を潤ませて話していた。
   前回までのブログで、「あなたも私も“自閉症スペクトラム”」という記事を投稿させていただいたが、実は私は、イチローもその傾向が強い人間だと思っている。彼は、“同じことを繰り返すルーティンタイプ”、であり、周りがあきれるほどひとつのことに“没頭するタイプ”であり、ある意味では“マイペースタイプ”でもある。
   ひとつめの“ルーティンタイプ”については、有名なのは、打席に入る時の毎回同じ所作であるが、毎日の食事についても、栄養面を考えた同じメニューを毎日食べるそうである。
   練習前のストレッチの時には、他の選手達はコーチの指示のもとに皆同じ内容をこなすが、イチローは、独り自分なりのストレッチを行うそうである。これはある意味“マイペースタイプ”の表れだ。しかし、彼なりの実に綿密に計画されたマイペースである。また、その時はいつも決まって同じ内容、同じ流れのストレッチをするそうである。これも彼の“ルーティン”である。
   そして、最も彼を象徴する“没頭するタイプ”。これは有名かも知れないが、彼は小学生の頃から毎日父とバッティングセンターに通い練習を続けたそうである。他の子ども達が自由な遊びに興じているときにだ。この頃に、周囲から「あいつはプロ野球選手にでもなるつもりか?」とバカにされたそうである。それでも彼は、野球の練習に“没頭”した。
(つづく)