【今回の記事】
「『偏差値が低いと仕事もできない』ってホント!?~10ポイント差を逆転するためには、この5つのどれかが必要」(http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/626.html

   記事によると、「実社会に偏差値の差は存在する。相対的に下位校出身者には厳しい現実がある。では、その差を逆転する大学生活はあるのだろうか。5つのポイントを改善することで、大逆転を狙うことができる。」のだそうです。
   その「5つのポイント」の筆頭に挙げられていたのは「対人能力」でした。記事では、この能力について、次のように述べられていました。
対人能力は、先天的に個人差があるとしても、後の努力で改善が可能だ。問題は、学生本人が、そのことに自覚的であるかどうかと、改善のための努力の仕方を知っているかだ。
   
   さて、以前の投稿で「愛着」について述べました。実は、この愛着の形成が最も影響を与えるのが“人間関係能力”なのです。精神科医の岡田尊司によれば、特に0歳から1歳半までの「臨界期」と呼ばれる間に適切な養育がされて愛着が形成できるかどうかが一生に渡って影響するとされています。この点については、本ブログの「人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12166236151.html)をご参照ください。

つまり記事にあるような「先天的」ではないにしても、生後間もなく極めて早い時期に決定づけられることであることには違いないわけです。
   つまり、「臨界期」の間に愛着形成がうまくなされれば、この対人関係能力も身につけることができるのです。また、仮にその時期の愛着形成に失敗したとしても、愛着形成のやり直しは可能であるとされています。
   乳幼児期に愛着が形成できなかったのは、子どもが母親のことを信頼できなかったために安全基地を持つことができなかったからです。ですから、その不安定な愛着パターンが改善されるかはどうかは、大学時代に、その母親に代わることのできる先生や友人に巡り合えるかどうかにかかっています。
   では、果たして、どんな先生や友人が、母親に代わることのできる対象となり得るのでしょうか。それは、自分の言動をいつも温かく受け入れてくれる信頼できる相手です。そういう他者に巡り会うことができれば、その他者が自分にとっての「安全基地」となり、その他者に対して愛着が形成され、結果的に人間関係能力も改善されるのです。
   ですから、自分にとって信頼できる他者を見つけて親しくなるような努力は必要です。ということは、たくさんの人と出会える“コンパ”に出てみたり、サークル活動などに所属したりすることはとてもいいことですね。その中で、まずは笑顔の素敵な人を探して、自分の方から話しかけてみましょう。