犬 いぬと読む
GOだす。
仕事柄、よく大家さんの家に行きます。
世間一般では「大家さん=お金持ち」という図式が成り立っているようです。
確かに資産として考えれば、一般の人々と比べると上記のサイン・コサイン・タンジェント君的な
方程式はあながち嘘ではないと言えるのかもしれません。が、実は色々(金銭的にも)
苦労している大家さんが多いのも事実です。まあ、説明はしませんがいろんな人間がいる
ように、大家さんにも色々ある(いる)という事ですね。
そういう事で先日、豪邸に住んでいる大家さんのお家へ行った時のお話です。
澄んだピーコックブルー、厳しい寒さの中での一点のぬくもりが一層幸福感を漂わせる
日溜りの中、私は豪邸の門前にて今まさにインターフォンを押したところです。
幸いと言うべきか、当然と言うべきか、この豪邸のインターフォンにはモニターが付いていました。
それに気付いた私は、あごをしゃくれさせて開口一番「元気ですか~?」
失礼は百も承知、そんな挨拶をした私に大家さんは
「フフフ、そういえば今日は春一番が吹いた日ね。モノマネはいまいちだったけど・・・お上がんなさい」
この冗談を瞬時に連結させ、意味を理解した上での対応。敗北感でいっぱいの胸を抱えて、玄関までの
道中(20分)を肩を落として歩く私の傍へ、一匹の大きな犬がすりよって来ました。
彼はまるで全てを悟ったように、いや悟っていたのでしょう。
私の肩をポンッポンッと軽く二回叩き「ワイもここに来て20年、未だきゃつには勝てんのや」
関西弁である事はさておき、犬の優しさ・深さ・凄さを知った日でした。
犬は人語をしゃべれないのでは無く、しゃべらないだけなのです。すごく大人なのです。
信じられないかもしれませんが、そういう仮説を立てて犬と接してみて下さい。
きっと「あっ!こいつ本当はしゃべれるな」と思う節があるはずです。
たまたま貴重な体験をしました私ですが、実はこの事実は国家レベルの最重要機密事項らしいです。
現在研究中との事ですが、恐らく私は機密事項漏洩で書類送検される事でしょう。
しかし、いくら研究した所で犬は話などしないでしょう。そこに愛はありますか?
皆様がそんな素敵な体験が出来るよう祈って・・・
ではっ!
鼈 すっぽんと読む
この前、無人の荒野を行くがごとく無人の子供用チャリ(ハム太郎)がお店の前を通り過ぎようとしていました。
それはそれは目を疑いました。無人のチャリ(ハム太郎)ですよ?
顔を洗って出直してきましたが、やはり無人のチャリ(ハム太郎)が当店の前を通ろうとしています。
そこで、近づいてくる無人チャリ(ハム太郎)をよく目を凝らして見ましたら、やはり運転手が居ました。ただ少し小さくて見難かっただけだったのですね。
それはそうです。無人チャリ(ハム太郎)なんて有り得る訳がございません。
不思議な体験をよく致します私の、新たな物語の1ページです。
皆様ご察しの通り、運転手はスッポンだった訳ですが、それ自体そう珍しい事でも無いかと思います。それよりも少し珍しい事は、あまり私自身の事は明かしたくないのですが、私がちょっぴりではありますけれども亀系の言語が理解でき、話せるという事です。
そんな二人が出会えば自ずと物語りは加速していきます。
急ぐ彼(時速0.2㌔)に私は訪ねました。「そんなに急いで、何かございましたか?お部屋探しですか?でしたら当店へどうぞ」
彼は答えました。「妹が、い・も・う・と・が~~」その一言で私は全て察しました。
彼の出身がバスク地方であること。妹さんの血液型がAのRHマイナス型という稀少型であること。その妹さんが、今まさに事故に遭い瀕死の重体で輸血が追いつかないこと。彼の血液型は普通のA型で、輸血という意味は無くとも早く駆けつけたいということ。主食がハムスターであること。
偶然とは重なるものだと常々思わされる。いや、やはり必然だからこその出会いと言うべきでしょうか。 私の血液型はAのRHマイナス型です。
この際自分は不動産業者だとか何とか言ってられる場合ではない訳です。
ただでさえ、私たち人間は彼らからダーティなイメージで固められ、払拭し切れていない部分があります。役に立たねばと思った部分は確かにあったのでしょう。しかし、その時はきっと人間としてあるべき姿で、あるべきままの行動を取っていたのだと思います。
彼を肩に乗せ、私が替わりにチャリ(ハム太郎)を漕いで病院まで直行しました(時速80㌔補助輪付)。
こういう時の人間の連携は素晴らしい。
私が病院へ着くなり、私を見つけた医師はすぐに手を引き「急げこっちだ」と病室まで連れて行ってくれたばかりか、輸血の準備するよう促すのです。
なぜ?という顔をしている私に医師はこう答えました。
「君はAのRHマイナス型だろ?君の肩に乗ってる彼を見てピンときたよ、出身と好物もね」
私は声を大にして言いたい「こんな人間もいるんだ」と・・・。
妹さんは奇跡的に一命を取りとめ、今は懸命にリハビリ中らしい。
助かった時のスッポンの彼は、それはもう大はしゃぎ。私は「一杯飲もうと誘ってくれる彼の気持ちをフイには出来ず、あの素晴らしい医師と三人で夜が明けるまで飲み明かしました。以下にその様子を収めた写真を掲載します。
彼はいつまでも私の中で生き続けています・・・。
ではっ!
獅子座流星群
このまえ、駅の売店で雑誌を2時間くらい立ち読みしている欧米人が
いました。
売店のおばちゃんは怒りながら言い続けてました。「欧米かっ!」
とても見てられない私はおばちゃんに代わり、言ってやりました。
「ヘイ ユー!!」と・・・。
そしたら相手も「ヘイ!!」と返してきました。
20分くらいでしょうか。そのままお互い第1声を交わしたまま見つめ合って
いたのは・・・。
心配だったのだと思います。おばちゃんはおろおろしながらも私の背中から言い続け、なぜか私にツッコミを入れ続けました。「欧米かっ!」
おばちゃんは心配してましたが、二人の間にもはや言葉はいりませんでした。
気がつけばお互い肩を組み、笑顔で売店を後にしていました。
聞けば彼は住むところが無く困っているとの事。
不動産屋である私は、もちろんお部屋を斡旋するべく力を尽くしお部屋を紹介
しました。
残念ながら彼は審査で引っ掛かり、契約することが出来ませんでした。
当然私は猛抗議。「彼が外人だからダメなのか!人種差別だ!!」
すると、部屋の管理会社の人はこっそりと理由を教えてくれました。
本来、審査結果の根拠は教えてもらえないものなのですが、管理会社の人も
また、良い人だったのでしょう。
理由は、職業が「獅子座流星群のバイト」だったからとの事。
あのバイトは確かに命に関わる仕事です。燃え尽きてしまう人もいるらしい。
そのかわり、1回あたりのバイト代はどっかの国の国家予算に匹敵するそうです。
彼は泣く泣く母国へ帰りました。「次回の獅子座流星群で会おう!!」という
言葉だけ残して・・・。
前回のバイト中に彼の母親が撮ったという、彼の仕事っぷりを収めた写真を
記念に頂きましたので掲載します。
この証拠写真を見せれば、あるいは審査もOKだったのかもしれないと悔やまない日は無いです。
彼はきっと今も、素敵な仲間たちと夜空をものすごいスピードで切り裂いて
いる事でしょう。
ちょっとお涙誘う、良い話でした。
ではっ!