出だしのベースのカッコよさ…
ザ・イエローモンキーの19年ぶりのアルバムが話題ですね。
あんなにアングラ臭プンプンなくせに、
昔からテレビ出演とかには案外積極的なんですよね。
普通にサービス精神旺盛だしね。
生放送で免許証公開したりね。
私にとってのイエモン。
出会いは「追憶のマーメイド」という曲。
以降、中学から高校にかけて活動していたバンド。
「一番好き!」とまではいかないまでも、
新曲が出れば必ずチェックする、そんな存在でした。
だから、思い入れはかなり強いです。
19年ぶりとありますが、
まずはその19年前のアルバムのことを説明したいと思います。
『8(ハチ)』という作品でした。
8枚目のアルバムだからという、ずいぶん素気のない理由。
内容は、とにかく非常に重くて暗かったです。
もちろん単に重くて暗い音楽などいくらでもあります。
ただ『8』の場合はちょっと別格で、
なんだか悪霊に取り憑かれたのかと思ってしまうくらい
不穏なサウンドに満ちていました。
ここ最近、メディアがイエモンの歴史を紹介する際に、
「突然活動を休止して」みたいな表現をすることが多いようです。
しかしながら、当時あの発表を聞いて「いきなり」と感じたなら、
おそらくその人はイエモンのことをそんなに知らない方だったのだと思います。
『8』を聴いていた人は、むしろ腑に落ちたのではないでしょうか。
そのくらい、末期的な音だと思えた、少なくとも私には。
イエモンが珍しいのは、
まず「活動休止」を発表したこと。
そしてそのあと数年してから、改めて「解散」を決めたこと。
そんな段階を踏むバンドはあまりいない気がします。
つまり、「休止」とは、
バンドの不協和音を立て直すためのひとつの選択だったのですが、
実際に止まってみても、状況は改善されなかったようです。
解散決定時の吉井さんの発言が痛々しかったのを覚えています。
「進展が見られない。何のための活動休止か分からなくなってきたんです」
こんなことを、渋谷陽一のインタビューで仰っていました。
当時の挫折感はどれ程のものだったのでしょう。
思いを馳せると胸が痛くなる…
で、いよいよ無理だと結論付けるを得なくなり「解散」とした。
ワザワザ言い直す必要など別になかったはずです。
ず~っと「お休み中」ということにしておくことだってできた。
でもそれでは自分たちがスッキリできなかったのかもしれません。
ファンを無闇に期待させるべきではないと思ったのかもしれません。
そういうところに彼らの人間としての誠実さが見て取れる気がします。
どうして復活したのでしょうか、いや復活できたのでしょうか。
彼らはいろいろ経緯を語っているけれど、
実はあまりピンときていません。
単に時間が何かを解決してくれたのかもしれないし、
本当のところなんて結局4人しか分からないし、
別にそれでいいと思います。
大事なのは止まった時計が動いたという事実。
19年ぶり(本日3回目)のアルバムタイトルは
『9999』となりました。
『8』の続きで『9』とも捉えられます。
「9」が4つ並んでいる(メンバーの数)というところに、
なんだかグッと来てしまいます。
4回ほど通して聴いた感想としては
「憑き物の取れた『8』みたい」だなと思いました。
(これを言いたいがための、序文でした)
音楽性の核は変わっていないと思います。
グラムロック/ハードロックを礎に、
歌謡曲的なメロと官能的な言葉を乗せる。
古参ファンには感慨深いし、
知らない世代には、他に類のない異質な音楽として届くのではないでしょうか。
解散してからの10数年、
私は洋楽と言われるものを聴き耽ってきましたが、
イエモンに相当する音楽を見つけることはできませんでした。
ザ・イエローモンキーは、日本の財産です(断言)。