果てなき旅路

果てなき旅路

旅、温泉…たまには歴史。時の徒然に、好きな事を綴っております。

ここ飯盛山には、自刃した白虎隊士十九士の墓があります。

彼らはこの地から、燃える鶴ヶ城(若松城)を見て、藩の最期を悟り、自ら命を絶ちました。




墓所のすぐ近くにある「白虎隊士自刃の地」からは、会津若松の街並みが一望できます。

遠くに小さく見える鶴ヶ城の姿は、当時と変わらぬ気高さを保っているかのようです。




白虎隊の少年たちが自刃を選んだこの地には、今も静謐ながらも、張り詰めたような空気が漂っていました。

若干十六、七歳という若さで、義のために命を捧げた彼らの決断。




それは現代を生きる私たちには想像を絶する重みがあります。

しかしながら、彼らの最期は決して無駄ではなく、会津藩が貫いた「義」の精神を象徴するものとして、今も人々の心に深く刻まれています。




桜舞う春の会津は、悲しい歴史さえも美しく包み込んでくれるような、不思議な優しさに満ちていました。

歴史を学ぶだけでなく、その場の空気を肌で感じることで、旅はより深いものになりますね☺️




彼らの壮絶な最期に心が打ちのめされたまま、私はその足で、飯盛山下から周遊バス「あかべぇ」に乗り込みたした。

車窓を流れる景色は静かだが、先ほどの重い歴史の余韻が、深く心に残ります。




バスは終点、東山温泉へ。

温泉街の奥へ歩みを進めると、そこには時が止まったかのような、風格ある建物が忽然と現れました。





時を繋ぎ、目の前に現れたのは、圧倒的な存在感を放つ木造建築「向瀧(むかいたき)」




かつて、会津藩の保養所「狐湯」として始まり、国の登録有形文化財にも指定されているこの宿は、まさに歴史の生き証人。

深い軒、複雑に組み合わさった屋根、そして窓から漏れる温かな灯り。




一瞬、時が止まったかのような錯覚に陥る。

しかしながら、今宵の宿はここからさらに先。

歴史の景色を横目に、湯川のせせらぎを聞きながら、さらに15分ほど歩を進めます。




そもそも東山温泉は、約1300年前の奈良時代に名僧・行基が「三本足の烏(霊鳥)」に導かれて発見したと伝わる、奥羽三楽郷の一つに数えられる歴史ある名湯です。




江戸時代には会津藩の湯治場として栄え、新選組の土方歳三も訪れた「会津の奥座敷」として親しまれる歴史の深い温泉地です。




なお、東山温泉には、温泉街の情緒を楽しみながら無料で利用できる人気の足湯があります。

特に観光協会が運営する「東山温泉 足湯処」が有名です。




因みに、こちらの小径が「残念坂」

江戸時代、会津藩の武士や湯治客たちがこの温泉を訪れていました。

楽しい滞在を終え、この坂を登って帰路につく際に…




「このままもっと湯に浸かっていたい」「去るのが名残惜しい(残念だ)」と後ろ髪を引かれる思いで振り返ったことから、その名がついたと言われています。

いわば、温泉の心地よさを証明する名前ですね。




さて、これから私は、今宵の宿へと向かうのですが、その道程を歩く時間を利用して、もう少しだけ、東山温泉の歴史について、語りたいと思います。




天平年間(729~749年)に、行基菩薩が会津を訪れた際、黒川(現在の湯川)のほとりで、不思議な三本足の霊鳥(烏)に導かれ、岩間から湧き出る温泉を発見したと伝わります。




「会津の奥座敷」として発展し、江戸時代には会津藩の指定湯治場として栄えました。

会津若松城(鶴ヶ城)から近く、江戸時代の文人や新選組の土方歳三をはじめとする、歴史上の人物が疲れを癒やした記録が残っています。




1300年の歴史を持つ、会津の歴史と文化が色濃く残る温泉地です。




今宵の宿へと向かう途中、尼ヶ淵(あまがふち)と呼ばれる深い淵があります。

かつて、会津を治めた蘆名(あしな)氏ゆかりの尼僧が、主家の滅亡を悲しんで身を投げたという悲恋の伝説が残っています。




川沿いの散策路から眺めることができ、周囲の岩壁と静かに水をたたえる淵が、温泉街の情緒ある雰囲気を引き立てていますね。




東山温泉街のさらに奥、湯川の上流に位置する「東山四大滝」の一つ、雨降り滝です。

最大の規模を誇り、高さ約10m、幅約16m。

36段ともいわれる大きな岩盤の上を水が弾けながら流れ落ちる様子が、まるで雨が降っているように見えることからその名がついたとされています。




滝のすぐそばには「たきみはし」という橋が架かっており、間近で迫力ある景観を楽しめます。

上流にダムが建設された影響で、以前に比べると水量は落ち着いていますが、今なお四季折々の風情(新緑や紅葉)とともに親しまれているとのこと。




桜巡りを楽しんだ2日目の全行程を終え、私は東山温泉のバス停に降り立ち、そこから今宵の宿まで、暮れなずむ街の空気を吸い込みながら、のんびりと歩を進めています。




振り返れば、本当に贅沢な旅路でした。

壮大な石垣に薄紅色の花びらが舞う「鶴ヶ城」、視界を埋め尽くすほど鮮やかな「日中線のしだれ桜」、かつての武士たちの息吹を感じさせる「武家屋敷」、そして街を一望する「飯盛山」

会津の長い歴史を奏でるように咲き誇る桜。




因みに繰り返しとなりますが、この記事は昨年の4月に訪れた会津若松のものとなります。


今年、私は桜を巡ることが叶いませんでした。

こうして当時のブログを綴っていると、画面に映し出される一枚一枚の写真が、驚くほど鮮やかに心へ訴えかけてきます。




当時は当たり前のように楽しんでいた光景が、一年という時を経て、そして「行けなかった今」というフィルターを通すことで、より一層尊く、かけがえのない記憶として胸に迫るものがありますね。




旅は、現地を歩いている時だけが旅ではありません。

こうして振り返り、記録に残し、当時の自分と対話する時間もまた、旅の大切な一部なのだと改めて実感しています。

等と語っていると、旅の終着点、ようやく辿り着いたのは…




大江戸温泉物語 
東山グランドホテル🏨

飯盛山で歴史の重みに張り詰めた気持ちが、ホテルの明かりを見た瞬間に、ふっと緩んでいくのが分かります(笑)

そして、前回二つの記事も大江戸温泉物語。。w




会津若松での旅も2日目。

昨夜は駅前の機能的なホテルでひと休みしましたが、今夜の舞台は打って変わって、歴史ある「東山温泉」

都会の喧騒がふっと遠のくのを感じました。




チェックアウトまでの時間。


この静かな空気と温泉の余韻を、最後まで存分に味わい尽くしたいと思います。


次回、この旅の最終章となります…☆