手紙
遅ればせながらずっと読みたかった
東野圭吾さんの「手紙」を読みました。
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正直言って僕は涙もろい方ではないのですが
これにはやられてしまいました。
ただ、この作品の優れていると思ったのは
物語の序盤、中盤、終盤に従って、
読んでいるものの涙腺を緩めてしまう種類を変えてくることです。
序盤は貧乏な兄弟の兄が犯してしまった過ちから突きつけられる
社会の荒波に対して弟が何とかして生きようとする。
中盤は社会に結局、差別しかない世界に絶望し、
兄からの手紙さえ葬ってしまいたくなるほど荒れていく。
そして終盤は犯罪者、被害者の家族が
生きていくための1つの「答え」を見つける。
それはとても苦しい最終結論なのだが。
なんか最初は社会からの差別に憤って
この兄弟に同情して読んでいたけど
後半にここまで自分の価値観を変えられるほどの
最終結論に変わっていくとは思わなかった。
「差別はね、当然なんだよ。
犯罪者やそれに近い人間を排除しようとするのはしごくまっとうな行為なんだ。
われわれは君を差別しなければならないんだ。
すべての犯罪者に自分のした罪を思い知らせるためにも。」
なんか、今まで思ってきたことが全部くずされたなぁ。
差別を認めるわけじゃないけど、これって差別する側が一方的に
悪いって言えないことをリアルに肯定してて。
なんかいろいろ考えてしまいます。