記事を書くのが随分遅くなってしまいましたが、先々月バスクの近代美術を語るにあたり欠かせないアーティスト達により作られたアランサス大聖堂 Santuario de Aranzazuに行ってきました。
このアランサスサンクチュアリーはギプスコアのOñati オニャティに位置し、16世紀からフランシスコ会により開山されていますが、この教会自体は1950年代にバスクの名だたる近代美術家達により作られました。
アランサスはSantuario de Loyola ロヨラ大聖堂と並ぶ程、ギプスコア県の中で有名です。アランサス聖母を祀っているのですが、ギプスコア県でアランサスの名をとってアランチャと言う名前の女性が多いというのはどれほどこの聖母が多くの人に崇められているのかが伺えます。
このアランサスサンクチュアリーはギプスコアのOñati オニャティに位置し、16世紀からフランシスコ会により開山されていますが、この教会自体は1950年代にバスクの名だたる近代美術家達により作られました。
当時、コンクールにより抜擢されたのがFrancisco Javier、Sáenz de Oiza、Luis Laorgaファサードの彫刻は世界に名を馳せるJorge Oteiza。鉄の扉はサンセバスティアンに数々の作品があり【風の櫛】でお馴染みのEduardo Chillidaの作品。クリプタ(地下聖堂)の絵を担当したのはオンダリビアで長年住んでいたNestor Basterretxea とLucio Muñozによるものです。
作品の奇抜さによりフランシスコ会のストップがかかり、実際工事が大幅に遅れたという経緯もありました。
表向き、ルネサンス期のイタリアのメディチ家の様な外観ですが大聖堂にしては奇抜ですよね。更にファサードに表現されている像が、12使徒ではなく14名…キリストも聖母マリアも従来のポーズではないなどと型破りなオテイサの作品です。
それでは、聖堂の中へ入って行きましょう。
中は外観からは想像出来ないほどの温かみのある木の構造です。まるで船の中に居るような感じで、Retablo(教壇の前にある教会の顔の部位)に射し込む光に吸い込まれるかのように教壇に足が向きます。
私は神道の氏子であり更に仏教徒ですが、キリスト教については美術の歴史を学ぶにあたり聖書を紐解く必要がありかなり理解したと思っています。それでもキリスト教はあまり好きではありませんが、この様な神聖な場所に来ると心が鎮まる思いです。
アランサス大聖堂はナバラにあるサンフランシスコ・ザビエル城に続き日本からのお客様を連れて行く場所です。