こんな時だから「普段の生活の大切さ」を思いたい | 偕楽園血圧日記

こんな時だから「普段の生活の大切さ」を思いたい

「なんだこれは!」といいたくなるほど暑いな。
 東日本大震災の時、こちらは寒さに凍えていたが、今西日本豪雨の被災地は暑さでうだっている。
 寒いと凍死などで命の危険があるし、暑いと熱中症や感染症の危険が増す。まさに災害というのは「厄災」である。


 さて、

++++++++++++++
 <麻生氏>派閥研修会「なぜやめる」石破派、岸田派に疑問

 麻生太郎副総理兼財務相は13日、西日本豪雨を受けて自民党の石破派や岸田派などが夏の研修会を中止、延期したことについて「豪雨のために研修会をなんでやめるのか理解できない。ましてや総裁候補を出したい派閥だったら(やるのは)当然のこと」と疑問を呈した。「宴会するわけでもなんでもない。政策集団として、うちはやる」と語り、麻生派は予定通り26日に横浜市で実施すると強調した。札幌市内の講演で語った。
 毎日新聞 7/13(金) 18:28


 派閥研修会自粛に異論=麻生氏

 自民党の麻生太郎副総理兼財務相は13日、札幌市で講演し、西日本豪雨を受けて派閥研修会を自粛する動きが相次いでいることに異論を唱えた。
 その上で麻生派は予定通り研修会を実施する意向を示した。
 麻生氏は「『こういうことをやってくれる人に総裁になってもらいたい』という自分たちの政策を提言して初めて政策集団ではないのか。それをやらないで何の関係でやめるんだ」と述べた。 
 時事通信 7/13(金) 18:47

++++++++++++++

 昨日ブログで指摘したことを、麻生大臣も言ってくれた。

 さすがである。
 このあたりは、メディアの視線を気にし、彼らに阿って持ち上げてもらうことを考えているような議員とは格が違う。
 政治家というのは、こういう「流されない覚悟」というものを持った人間にやってもらわなくては。

 だいたいメディアなどというものはいい加減な上に、今は「特定の思想」で動くものばかり。
 この麻生氏なども以前、2008年の愛知水害の時に「これが岡崎のあたりだからまだよかった。名古屋だったからどれだけの被害になったか」と言ったことで朝日新聞をはじめとするメディアからバッシングを受けたが、その朝日系列の週刊誌が、今度の水害では、

++++++++++++++
 豪雨が東京直撃だったら「死者7400人、被害総額64兆円」と専門家が試算〈dot.〉

 西日本を中心に大きな被害を出した豪雨災害は、9日午後現在、13府県で死者が100人を超え、80人以上が行方不明となっている。気象庁によると、7月8日までに1000ミリ以上の降雨量が観測されたのは高知県の8地点、岐阜県の4地点、徳島県の2地点、長野県の1地点にのぼる。広範囲にわたる豪雨が、被害を拡大させた要因となった。
 今回の被害は、頻発する自然災害に対応しきれない日本の現実を明らかにした。それは、被害を受けなかった地域の防災担当者も震撼させている。なかでも警戒されているのが「首都圏の豪雨災害対策」だ。
(後略)
 AERA dot. 7/9(月) 18:51

++++++++++++++

 こんな記事を書いているのだ。

 昨年には今村前復興大臣もこの「(震災は)東北なのでまだ被害がこれぐらいで済んだ。これが首都圏ならばもっとひどいことになっていた」といったことで大バッシングをされていたが、誰でも「これが大都市ならば」は思うということで、「それに比べれば不幸中の幸い」というところだけを取り上げて叩くのはただの揚げ足取りである。


 今回の水害では、

++++++++++++++
 市長、避難所ベッドでピースサイン…写真掲載

 西日本豪雨で被災した岡山県笠岡市の小林嘉文市長(57)が、市内の避難所を視察した際、簡易ベッドに横になってピースサインを出す写真を職員に撮らせ、自身のフェイスブック(FB)に掲載していたことが、わかった。
 市は浸水被害などで死者は3人にのぼった。市によると、小林市長は9日夜、避難所になっている公民館を視察。自ら簡易ベッドを組み立ててあおむけになり、職員に写真を撮らせた。10日、写真をFBに掲載し、「床が硬く、なかなか寝付けないとの意見が多かったので、簡易ベッドを設営しました。寝心地は良かった!」とのコメントをつけた。
 市議会は12日、「被災した市のトップとして不適切」として謝罪を求めることを決めた。小林市長は取材に対し「市が用意した簡易ベッドの利用を促そうとの思いだったが、誤解を与えるようなことになり申し訳ない」と話した。写真の削除は考えていないという。
 読売新聞 7/12(木) 21:14

++++++++++++++

 笠岡市の市長もこんなことで叩かれているが、床に寝ているよりも「こっちの方が断然いいですよ」とアピールするものなのに、こんなところで沈痛な面持ちでいたら避難民はいったいどういう気持ちになるだろう。「あのベッドはそんな程度のものなのだな」ぐらいにしか思わないのではないだろうか。
 まあ、ピースよりは「グー」サインの方がこういうときにはふさわしいと思うが、市は避難者のことをほっぽっているわけではない、「少しでも疲れないようにと考えています」とアピールするのは大切だ。

 災害が起きると必ず「不謹慎厨」と称される人間が出てきて、「不幸を共有しろ」「上を向いてはいけない」と他人を叩きまわる。
 中には

 


 大臣が言及しているように、支援にまでケチをつけるものもいる。

 そういう人間は「アベクーラー」と同類の政治的思惑をもってそういうことをやっている勢力に属しているのだろう。
 おかげで初めに書いた麻生氏のような人間が傑出することにもなるのだが、この手の「下を向いていろ」論ほど災害被災者にとって邪魔なものはない。(話はそれるが、こうやって定期的に起きる災害が、それを「政治的道具」にして社会を混乱させようとするような人間をあぶりだしてきたことが、日本の「民度」というものを作り上げてきたのではないだろうか?)

 災害復旧で一番目指すものは「日常を取り戻す」ことである。
 東人大震災の時にこの手の「謹慎バッシング」がどれほど被災地の重荷になったのか。
 西日本豪雨でまた同じことを繰り返してはいけない。


 本日の峠。

++++++++++++++
 <伊香保温泉>漫画「頭文字D」 舞台巡るスタンプラリー


(写真、毎日新聞より。課金して6カ所の漫画の舞台を巡ると、もらえるオリジナルカード(cしげの秀一/講談社 c舞台めぐり)=JTB提供)

 天才的な運転技術を持った主人公ら若者たちが峠道で車を爆走させる人気漫画「頭文字(イニシャル)D」を使って観光客の誘致を図ろうと、漫画舞台の一つとされる群馬県渋川市の伊香保温泉周辺で、旅行大手JTBなどが、「『頭文字D』地域活性プロジェクト」を実施している。スマホを利用して漫画に登場する舞台を巡るデジタルスタンプラリーなど、ファンにとって漫画の「聖地」を実際に楽しめる魅力的な企画となっている。12月まで。
 プロジェクトは、2016年、早稲田大が主催する産学官連携プロジェクトのワークショップで提案されたアイデアを元に、JTBやソニー・ミュージックコミュニケーションズ(SMC)、渋川伊香保温泉観光協会が地域活性化策として企画した。
 デジタルスタンプラリーは、SMCのスマホアプリ「舞台めぐり」をダウンロード(無料)し、伊香保地域の地図を見ながら、榛名湖や伊香保温泉石段街など6カ所の舞台を巡る。実際の風景に画像や動画を加える「拡張現実」(AR)を利用して、2種類のロゴを自分の車などに重ねて写真を撮ることができる。
 さらに、アプリ内で課金(1400円)すると、新たに6カ所の舞台が加わり、各舞台で漫画の場面が描かれたオリジナルカードがもらえる。カードの裏に記載されたQRコードを読み込むと、新たなキャラクターがARで登場する。
 JTBはプロジェクトに参加する約20軒の旅館・ホテルでのオリジナル宿泊プランを販売している。このプランで宿泊した人にオリジナルカード収納用のロゴ入りカードホルダーをプレゼントする。このプランを利用し、課金される全ての舞台を巡った先着1000人にはコンプリートステッカーが贈られる。
 渋川伊香保温泉観光協会の大森隆博会長は「『頭文字D』は映画化され、台湾や香港などで絶大な人気がある。こうしたファンが東京に訪れた際、伊香保まで足を伸ばして『聖地』巡りをするとともに、日本の温泉文化に触れてもらえれば」と期待を寄せている。【吉田勝】
 毎日新聞 7/13(金) 8:51

++++++++++++++

 う~ん。これほどあからさまに「課金」が前面に出ているのはどうかなぁ。
「アニメで町おこし」をやるところはいくつかあるが、「商売優先」でやったところはほぼ失敗しているというところを見るべきだろう。

 成功例の大洗は、「震災で落ち込んだ町のみんなを元気にしたい」が初めにあって、「アニメで遊ぼう」というコンセプトでやったのだ。
 おかげでその辺にいる普通のおっさんが「学園菅ってのが沖に浮いてんだ」と言ったり、商店のおばちゃんが大洗女子の生徒たちを自分の娘の友達のように語ったりするほど「なじんだ」。それがファンにして「アニメの中の街にそのまま来たようだ」と思わせることに成功した。
 課金アプリのラリーなんかも出てきたが、それはそういうことがある程度定着してからのことである。

 伊香保の人は、アプリの「拡張現実」に頼らない「リアリティ」の提供をする用意は、できているのかな?