ジェダイマスター 
ルーク・スカイウォーカーの考察
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今回のエピソード8「最後のジェダイ」は、非常に賛否両論な作品となり、特に旧3部作からのファンには受け入れがたい設定が多くありました。その中でも一番昔からのファンが気に要らない「ルークの設定」について考えてみたいと思います。まず、ルークがどのような状況に置かれ、そして弟子の育成に失敗したのかという部分をクローズアップしてみたいと思います。
 
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6の第二デススター内でのシスとの対決についての状況から、もう一度整理してみたいと思います。ルークが皇帝とベイダーと対決するというのは、実は銀河大戦(資料によっては内戦)の戦いの中では、実は大したことではない位置にあります。
 
映画では主人公の決戦ということで重要な部分を占めていますが、実際はアクバー提督が率いる反乱軍の総攻撃とシールド破壊作戦のハンソロ率いる地上戦の作戦が本当の銀河大戦の主戦場で、ルークの皇帝とベイダーに投降してセイバー戦というのは、実は反乱軍の中でも知っているのが、真実を知らされた妹レイア。そしてエンドアの夜に、ルークとレイアが話をしているのを知っていたハンソロだけという設定になっています。
 
ハンはデススターが爆発した時に、「ルークは?」とレイアに聞くとレイアは「彼は大丈夫」と感じてラストのキスシーンに繋がるところで解ります。
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 つまり、総司令官アクバー提督、攻撃隊長のランド将軍をはじめ反乱軍のメンバーは、ルークが実はベイダーと何かしらの関係で、地上部隊と一緒にエンドアに向かった後、投降しデススター内でシスと決闘しているなんていうのは全然知らない、銀河大戦(第2デススター決戦)とは「関係ないこと」なんです。
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 この状況というのは、実は重要なことで「ジェダイの帰還」というタイトルなんですが、戦争の勝敗を分けたのは、ジェダイがどうの、シスがどうのっていうのは全く関係ないんですよね。ルークがどうなろうと、シールドを破った反乱軍が作戦通りにデススターに戦闘機で突っ込んで要塞の心臓部を破壊し、勝った。その時点でベイダーが「ジェダイに帰還」して皇帝を殺すとかは、あくまでジェダイ騎士でベイダーの子であるルークの「個人的な話」だということが解ります。
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 ここまで考えると銀河の紛争・戦争とジェダイの存在というのは全然関係がない。皇帝がフォースの暗黒面を操るシスの暗黒卿というのも関係なく、皇帝パルパティーンは、ナブー星系代表の元老院議員から最高議長になった政治家。ダース・シディアスというのは一部の関係者しか知らないことなんです。
 
 ただ、この後に、その真実を知った銀河市民はそれを「スカイウォーカーの伝説」として平和の象徴として語り継ぐことになったようです。(7でレイのセリフ、8のラストで奴隷労働の子供たちのセリフでわかる)
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 どうしても主人公ルークが立派なジェダイ騎士になり銀河に平和をもたらしたという印象が漠然と観ているとするのですが、「銀河大戦の勝利とジェダイの存在は全く関係がない」。
 
 ベイダーの火葬の事実を知るのはルークだけ。シスが滅亡したというのもルークだけが理解できる事柄なんです。このような理解をしてから当時のジェダイの置かれた立場を考えるのが重要になってきまます。つまり旧3部作の時点でジェダイという存在は旧作のキャラクターで認識しているものは後半のレイアくらいしかいない。「ローグワン」でも随所に「滅んだジェダイ」という設定やセリフは出てくる。
 
(追記:これは音楽にも表れていて、旧3部作の公開当時は、6のラストは大祝勝会って感じの楽しい音楽が採用されていましたが、特別篇でルーカスは少しテンポのゆっくりとした。オリジナルからすると寂しめの曲に変更しています。つまり、銀河帝国を破って銀河の市民は大喜びのシーンを残しつつ、ルークがついにシスを倒し、父をジェダイに帰還させフォースの永遠の存在に戻したんですが、残されたジェダイはルーク一人で全てを負わされているという、やや悲壮的な意味合いがにじむ表現にラストは変更されています)
 
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 この時点で、フォースを使い戦えるジェダイはルークだけ。その後、自己研鑽しジェダイのトレーニングを積むといっても、立派なジェダイマスターに付いて修行することはできません。しかし、ヨーダに言われた遺言、「習ったことを伝えよ」というのはしっかり認識していたと思います。なぜなら、この時点で自分が死んだら「最後のジェダイ」だというのはヨーダに言われている。銀河を飛び回る中で、ジェダイの特質を持つ者に会い、ジェダイに育てようという志のもと、「12人の弟子」を持つことになったのは8で判明します。
 
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 ここでもう一度ルークの修行の経験を整理します。二十歳になろうというくらいにオビワンに父はジェダイ騎士だったと言われ、自分もその特質があることを知る。ファルコン内でライトセーバーの練習を受けたりする。オビワンがフォースと共に永遠の存在になり、デススター攻撃の追い込まれた時に「フォースを覚醒」させ、攻撃を成功させる。
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その後は、自分でライトセーバーやフォースの訓練を自己流で修業。惑星ホスの時点では、ライトセーバーを離れたところから取るくらいのことはできるようになる。
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その後、惑星ダゴバでヨーダのもとで修業。しかし、ハンの窮地を知って修行を途中で止めベスピンへ。その後も自己流で修業。
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ジャバ宮殿に自信満々で単身で乗り込むくらいの力は身に付く(ジェダイローブも自分で用意している)。6でヨーダに会った時の会話から5で分かれたあと始めてヨーダに再会とわかる。ヨーダは寿命で永遠の存在に。ヨーダから「ベイダーを倒した時に、初めてジェダイ騎士になれる」と言われる(このヨーダ遺言についての考察はヨーダのページをご覧ください)。ここまで理解・整理するとルークはジェダイ騎士としてまともな修行を受けていない、受けられなかったという事実が理解できます。
 
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 「昔からのファン」はその後、小説やコミックでルークがジェダイ騎士として偉大になり大活躍するというスピンオフ作品を通じて、偉大な「ジェダイマスター ルーク・スカイウォーカー」という物語を知ることになりますが、これは新シリーズ(カノン・正史)開始時点で「レジェンド」扱いになり、無かったことになります。
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 スピンオフは、もともとルーカスは関係していない物語。ただそれを知るファンは、今回の8「最後のジェダイ」でルークを見た時に受け入れがたい印象を持ち、感情的に「こんなのはルークでない」という感想になってしまうんだと思います。私も最初はそうでした。あのベンソロことカイロレンの寝こみを襲う形相といったらない。3日間うなされました‼
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しかし以上のことを、理解整理してみると、ルークが弟子を取り、その中のスカイウォーカーの血を継ぐ「カイロレン」ことベンソロのフォースの強大さ(スノークにより暗黒面が広がっていた)に脅威を感じて、「寝込みを襲う」というのは、しっかりジェダイアカデミーで小さいころから学んだジェダイ騎士でないルークならあり得ることなんではないかと思えてきます。
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そして、その失敗とフォースを正式にしっかり学んでいないルークは、フォースとそれを操るジェダイ騎士というのが自分の負担になりもう関わりたくないという状態に陥った。中途半端にフォースを指南・修行し、ジェダイを目指すことのリスクを考えるとジェダイの存在自体が危険ということになる。実は「シス」というのはジェダイの中から生まれたという歴史がある(シスについては皇帝パルパティーンのページをご覧ください)。その原点に戻っている気がしています。
 
ちなみに、スノークもカイロレンも「シス」ではないのは「ダース(ダーク・ロード・オブ・シス)」を名乗っていないので解ります。この辺の設定は9で皇帝復活か何かで判明すると思われます。
 
 しかし、ルークは弟子の育成には失敗しますが、8でのフォースの力は非常に強い状態になっています。特に最後のフォースで幻影をつくり、他の惑星の敵を完全に欺くという描写、そしてその後に、力尽きてフォースと一体化し永遠の存在になるというのは、ルークがそれまでしっかりジェダイとしての修行を積んでいたということに繋がります。ある意味、ヨーダやオビワンも出来ない領域に達しているんじゃないかと考えられます。
 
 ここで一つ、情報として6以降のルークがその後どのような状態になるかという原案はルーカスが決めていた設定ということです。なのでよくルーカスが監督であればという意見は、あまり当たりません。この脚本を作成するにあたりライアン・ジョンソンはかなりルーカスに助言を聞いていたという話です。そのためか、今回の8をルーカスは称賛しているというのは有名な話です。また、ディズニーが悪いというのも私は「あまり」賛同しません。というのも私の大好きな「ローグワン」はディズニー時代になってからの作品ですから。
 
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 今回の「最後のジェダイ」は脚本や演出が???と感じる部分はありますが、「ルークはこんなんじゃない」っていう部分をきちんと理解すると、より受け入れ安くなると思います。
 
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また、「スカイウォーカー家」の話じゃないのも批判的に思う人もいますが、実は今回の新シリーズはスカイウォーカー家の話は続いているんですよね。そう私はカイロレンこそが本当の「主人公」なんではないかというとらえ方をしています。
 
9では、カイロ・レンがライトサイドに復活することで、「スカイウォーカー家」としての伝説の継承を果たすことが「ライズ・オブ・スカイウォーカー」の意味だと考えてます。
 
 ガンダムでいうとアムロ・レイでなく「マスクをかぶった」シャア・アズナブルのお話であるということ(主人公ではないが)。そういえば主人公が同じ「レイ」というのは偶然か。どちらの「レイ」も両親不在。シャアも両親不在。シャアはジオン創始者の名門出。ちなみにララアも孤児という設定。ガンダムでシャアのストーリーが続いたようにカイロレンのストーリーも続きそう。でも、今回の8でレイとレンがフォースで繋がるというのは「アムロとララア」の「やつとのざれ言はやめろ」シーンを連想した人は少なくないはずです。
 
 
 
 
 
 
 
 
あれっ!なんの話してたんだっけ()
 
ビバ スターウォーズ‼