日本社会の闇と希望に心を傾ける

日本社会の闇と希望に心を傾ける

問題意識の積み重ねがふとした瞬間に自分の人生を変えるのだと思います。
見なかったふりをして逃げることもあるでしょう。
けれど、一度知った、考えたという瞬間があることが何より大切だと私は思います。

問題意識の積み重ねがふとした瞬間に自分の人生を変えるのだと思います。


見なかったふりをして逃げることもあるでしょう。


けれど、一度知った、考えたという瞬間があることが何より大切です。


問題に心を傾けるということは、


希望に心を傾けるということでもあると思います。


考えるきっかけ、導入部分にこのブログがなれたらいいなと思っています。


なので問題の制度や仕組みの詳細な説明や、数字を用いた表現はしません。


ただ、こういう問題があるよということを知ってほしいのです。


そこからどう考えるのか。


もっと詳しく自分で調べてみるのか。


それは人それぞれです。


深く学ぶときにはネットの情報ではやはりよくないと私は考えます。


ネットはあくまで「きっかけ」にすぎないのです。

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日本にも難民がやってきていることを意識したことがありますか?

日本には毎年2000人以上の人々が難民申請をしています。

にも関わらず、難民認定を受けることができているのは1年に20人。わずか1%ほどにすぎません。

これは難民条約に加盟している国として、国際的な批判を浴びています。

難民条約に日本が加盟したのはベトナム戦争が終わって、大量の難民が出たときに、

アメリカなどと比べればベトナムと近い日本が受け入れることを国際的に迫られたからです。

そしてこの難民条約への加盟と時期を同じくして、日本の国籍法が改正されたりするなど、

日本の外国人受け入れ態勢や、移民政策が外からの現象によって影響を受けることとなります。
(また国籍・戸籍についてはこれから書いていこうと思います)

そのような、条約で定義される難民として正式に認定されれば、

生活保障や、日本語教育、保険などを受けることなどが可能になります。

しかし、そうではない人は日本で餓死同前の生活を強いられることになります。

働くことも認められないからです。

不法にでも働けばいいじゃないかという人がいるかもしれませんが、

そんなことをして見つかったら、強制送還されてしまいます。

命の保障もない国へ強制的に帰らせられるのです。

世界には明日生きていられるか、わからない人たちがたくさんいます。

紛争地域に行って、その人たちを助ける、国家を変えることは容易ではありませんし、

一般市民である私たちには遠い世界のことに思えてくることもあるでしょう。

しかし、日本にいるそういった人たちに私たちができることはたくさんあります。

実際に市民レベルで行われているボランティア活動なども多々あります。

むしろ政府がほとんど何も行わないので、そのような活動にたよるしかないのです。

企業のCSR(社会貢献活動)として難民を雇ったりしている企業もあります。

グローバル化だからといって、海外に出ていくことだけが大事なのではありません。

グローバル化は世界が広く、拡張していくというよりは、

どんどん小さくなって、すべてのものが身近に感じられるようになる現象だと私は思います。

そもそも難民として逃れてきた人のほとんどは、本国では社会的地位や学歴があった人たちです。

誇りも、尊厳も持って、祖国を変えようと戦ってきた人たちです。

だからこそ政府からひどい弾圧を受けて、命からがら逃れてきたのです。

にもかかわらず、何も犯罪を犯したわけでもないのに、他の外国人犯罪者と同じように収容所に入れられ、

本国への強制送還をされることもあります。(命を絶ちなさいと言っているようなものです)

こんなことが日本で行われているなんて、私は信じられませんでした。

技能実習生制度も同じです。日本でこんなことが行われているなんて、信じたくありません。

しかし、外国人がどんどん増えている現在日本に住む私たちは、目をそむけてはならない問題だと思います。

では、実際にはどのような制度なのか、箇条書きにして特徴とキーワードを挙げてみます。

●独自の審査機関があるのではなく、外国人の受け入れを厳重にチェックするという目的の入国管理局が審査を行っている。
 入国管理局の裁量であり、明確な審査基準はない。

●日本では不法滞在者や不法入国者を強制送還するために、
難民申請中の人も含めたすべての人を収容するという全収容主義をとっている。
(国際的にみてもありえない。)

刑務所であれば、職業訓練施設などもあるが、それもなく、ただ待つだけの場所。

●外国人登録証明書は何の在留資格もない不法滞在者などのすべての人に与えられていたが、
その制度も廃止されたため、社会的に透明人間として扱われる危険性。身分証明書が一切ない状態。

このほかにも細かい制度や仕組みがたくさんあります。

多様性、みんなで生きていく、人とのつながり、そういった大切な、心を豊かにする生活・日本を考える上で、

見過ごせない問題がここにあります。


http://www.refugee.or.jp/index_b.shtml?utm_expid=15274848-2.OtrfQ2ReRN2mwuuB8B4Cgw.1&utm_referrer=http%3A%2F%2Fwww.google.com.au%2Furl%3Fsa%3Dt%26rct%3Dj%26q%3D%26esrc%3Ds%26frm%3D1%26source%3Dweb%26cd%3D1%26sqi%3D2%26ved%3D0CCMQFjAA%26url%3Dhttp%253A%252F%252Fwww.refugee.or.jp%252F%26ei%3DgHbuUqOXLcTHkwWqyoDYBg%26usg%3DAFQjCNGvSkMB98-GSKQ8K_fOB-_IriwhoQ%26bvm%3Dbv.60444564%2Cd.dGI
難民支援協会(日本のNGO)のホームページです。
日本で難民が置かれている状況や、私たちにできることが多々あることがわかります。

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「外国人技能実習生制度」を皆さんはご存知でしょうか。

これは途上国の人たちに日本で研修をしながら、日本の技術を取得してもらって、

本国に戻って活躍してもらうことを目的としてできた制度です。

しかしこれは表面上できれいごとを謳っているだけで、

実際には中小零細企業のための安い労働力として外国人を働かせています。

「日本人がやりたがらない仕事を外国人にやらせればいい。

日本語が話せないから権利を訴えてくることもないだろうし、

違約金や保証金制度などと呼ばれるものの実施によって、

技能実習の途中で本国に帰ることもできないのだから。」

などが実情です。


最低賃金以下で、しかも劣悪な生活状況で働かされている外国人。

これは派遣労働者の雇用問題が深刻に取り上げられる中で、

そのもっとひどい版ということができます。

少子高齢化で労働力が確実に減少する日本において、

外国人労働者の必要性の有無に関する議論がされていますが、

その前にこの制度について考えるべきでしょう。

アベノミクスで「グローバル化、外へ開いた国、日本」をアピールしながら、

裏にはひどい現実があるのです。

この問題はさまざまな日本社会の問題の縮図だと思います。

下請け企業の悲惨な経営状況、過疎化の進行による地方での労働力不足など。

 

さて抽象的に述べてしまいましたが、

具体的にはどのような制度なのでしょうか。

制度の特徴、キーワードを簡単に箇条書きで挙げてみます。

●3年間。

●送り出す側(中国が最も多いので、ここでは中国とする)側と受け入れる側(日本)の政府が関わって行っている。

●日本に来る前に名前だけの技術学校というものに通わなければならない。

その費用が何十万もする。
(実際には技能を身につけられるようなカリキュラムもなく、名目上にすぎない)

●3年間は帰らないという約束をして日本にやってくる。

違反したら違約金を支払わなければならない。

実際に中国の裁判所でそれが命じられたケースがある。

●労働基準法違反も甚だしい劣悪な賃金と生活状況

●日本人がやりたがらない工場などでの単純作業をやらせる。

 技能を教えようという気は全くない。

●劣悪な労働環境に耐えられず、自殺をしたり、精神病、脳に異常をきたす人も多々。

 

この制度を利用して日本にやってくる外国人は、

農村部出身で教育水準も低い中で育った若い人たちで、

権利を主張できるということも教えられずにいることも多く、

耐えることが一番だと技術学校で思想教育のように教え込まれています。

そして日本に希望を持っています。

故郷の両親に仕送りもできると思っています。

だから高額な費用を借金してやってくるのです。(保証金、技術学校への費用など)

誰が得をしているのでしょうか?
誰が行っているのでしょうか?
この制度の背景にある日本社会の考え方は何なのでしょうか?
(単一国家民族主義、日本の戸籍・国籍制度の特殊性などと繋がっていると考えます。
そこはまた随時書いていけたらと思っています。)

 

本当に概略だけを説明してみました。

わかりづらいところも多々あると思います。

制度自体が複雑なので、

もっと詳しくしりたい方はたくさん本が出ているので読むことをお勧めします。

私が読んだ本の中で、とても心にどすんとくる文章があったので、

少し引用しようと思います。

”そのころ(かつて戦前・戦後外国人に行ったこと)は抵抗すれば殴り殺されたり、
監獄に入れられたりした。が、いまはむき出しの暴力による恐怖ではなく、
国家機関を使った「強制送還」である。日本に出稼ぎに来てお金を稼いで帰られれば、
まだ安心というものだが、もしも途中で強制送還されれば、
支度金や渡航費などの膨大な借金を返すことができず、生活は破たんする。
だからこそ非人道的な仕打ちがあっても耐えている。
2006年8月、千葉県木更津市の養豚場で、26歳の中国人が、
彼を養豚場の「研修」で送り込んだ受け入れ団体の職員を刺殺した。
彼の基本給は6万5千円、残業代は一時間450円、どんなに働いても月10万にならなかった。
ほかの職場へうちしてくれ、と強く訴えていたので強制退去させられうようとした。
故郷に残してきた莫大な借金返済の不安に駆られ、錯乱しての犯行だった。”
(『いま、逆攻のとき』より引用)
 

また、この本には次のようなことも書かれています。

”深夜に及ぶ残業でくたくたになりながらも、自分が今、
縫製部分のはみだした糸を切っているXLの巨大なジーパンをいったいどんなひとが穿くのだろうか、
などと少女らしい空想にふけっているのだ” 
(戦前・戦後にかけての日本人の工場労働者の女性や、
その時代にアメリカで働いていた中国人や日本人を描いた映画の描写)

この『いま、逆攻のとき』という本には、
外国人技能実習生が最下層、その次が派遣労働者、その次が請負(有期工)で働く人たちというような、
日本社会の底辺を支える労働に注目し、総合的に語られています。
そして日本社会の闇や、傾向も書かれており、
タイトルに技能実習生という文字が含まれていないことからも、
この外国人技能実習生という問題がそれ単独ではなく、
日本社会の現在というものから切り離せない問題であることがわかります。
政権の話なども載っていて、比較的読みやすい本だと思います。
そしてこの問題だけではなく、様々な面からの連帯の必要性や、
時事的なニュースにも触れており、オススメです。
年越派遣村を行った方の対談などもあり、
短い本ですが、いろんな要素の詰まった良くできた本です。



私が読んでわかりやすかったものは随時追加していけたらと思っています。

 

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