■根っこと翼 | 田代 Yukio のカイロス便り

■根っこと翼

■<根っこと翼>読書の効用に、いつもこの言葉を思う。


皇后さまが<こども時代の読書の思い出>で語られた言葉である。


根っこは安定の根、翼はどこへでもはばたける想像力。


「子ども時代の読書は私に根っこを与え翼をくれました。


この根っこと翼は私が外に内に橋をかけ、自分の世界を少しずつ広げ育てていく時に大きな助けとなってくれました」


皇后さまは、7年前、インド・ニューデリーで開かれた国際児童図書評議会・世界大会のビデオ・テープによる基調講演でそう語られている。


「でんでん虫の悲しみ」「日本の神話伝説」「日本名作選」「幸福の王子」「人は何によって生きるか」などを収めた「世界名作選」・・・思い出の本をたどり<根っこと翼>に思いをいたされた。


わかりやすく、心にしみる第一級の読書のすすめだ。


講演は<橋をかける>(すえもりブックス)という本になっている。


明日から読書週間。


今年から初日の27日は<文字・活字文化の日>になった。


活字に親しもう。
本屋さんへ行こう!
子どもたちが根っこと翼をもつために。


(10月26日付読売新聞夕刊「よみうり寸評」より)