■沖縄慰霊の日 | 田代 Yukio のカイロス便り

■沖縄慰霊の日

  ▼ こ・ん・に・ち・は !
今日6月23日は「沖縄慰霊の日です。


全体で約20万人もの犠牲者を出した沖縄戦終結の日を県の条例で制定しました。
沖縄県ではこの日、各地でさまざまな慰霊祭を行い、戦争と平和を考える一日としています。


ご参考までに18日付け朝日新聞に掲載された、沖縄出身の全盲のテノール歌手、新垣 勉さん の記事を下記に転載します。


▼6月23日は、1945年に沖縄地上戦の組織的抵抗が終わった「慰霊の日」だ。
私も沖縄出身者として、歌を通じて平和を訴える者として、この日の重みをかみ締めたいと思う。


コンサートでは必ず、寺島尚彦さんが作詞作曲した「さとうきび畑」を歌う。
思い浮かべるのは、生まれ育った読谷村(よみたにそん)の風景だ。


私は1952年に生まれた。
生後すぐに、助産婦が過って動物用の薬で目を洗ったため、光を失った。
だが、自宅から数分の場所にあった広大なさとうきび畑は、杖なしで出かけられる遊び場だった。


サトウキビが「ざわわ、ざわわ」と風になびく音は、今も耳に残っているし、背丈より高いサトウキビの間から、頬に降り注ぐ光の感触も覚えている。


近くの製糖工場からは、サトウキビを煮詰める甘い香りも漂っていた。


以前は「知らないはずの父の手に抱かれた夢を見た」という歌詞を歌いながら、涙がこぼれてくることがあった。


私も父を知らず、複雑な思いにとらわれるためだった。
父は、米軍嘉手納基地の軍曹で、一歳の時に母と離婚して帰国。
大黒柱の祖父はサイパンで戦士し、祖母は幼い子供たちを抱えて沖縄地上戦の中を逃げ惑った。


母は戦後、苦しい家計を助けようと米兵と一緒になったようだが、祖母も母も、当時のことはあまり語ろうとはしなかった。


読谷村の小さな集落だけでも、米軍人を持つ子どもは何人もいた。
戦地から戻った男たちの中には、敵であった米兵の家で、ハウスキーパーとして働くものもいた。
本土から切り捨てられ、誰もが生きるのに必死だった。


歌の中には「鉄の雨に打たれ父は死んでいった」という歌詞もある。
首里の盲学校中学部に通っていた頃、校庭で草刈や穴掘りなどをすると、頻繁に銃弾が出てきた。

多くの人が、この銃弾で命を落としたのだろう。


2002年8月には、沖縄戦の激戦地・摩文仁(まぶに)の丘で「さとうきび畑」を歌ったが、「平和の礎(いしじ)」に刻まれた24万人近い戦没者の名前に圧倒され、この歴史を歌い継いでいかなければならないとの思いを新たにした。


中高生の頃、本土復帰前の島の人たちの間には、殺人や死亡交通事故を起しても、無罪になる米兵への怒りが渦巻いていた。


私も反戦平和運動や集会に出かけたが、反米感情や戦争への憎しみだけではなく、52才になった今では、許せると思える父への恨みや憎しみも参加の原動力になっていた。


沖縄には今でも、在日米軍基地の75%が集中している。
1972年の復帰後も、米兵の犯罪などの問題が解決されたとはいえない。


湾岸戦争や、イラク戦争では出撃拠点にさえなった。
あの激戦から60年を経てなお、島の人たちが願う負担の軽減や平和な世の中は達成されないままだ。


「さとうきび畑」は大上段に反戦を訴える歌ではない。

歌っているうちに、静かに平和への願いが伝わってくる。
コンサートでは同時に、「オンリーワンのメッセージ」ということを言い続けている。


ナンバーワンを目指すのではなく、国家や宗教、文化、個人の違いを超えて、お互いが唯一無二の存在だと認め合うことでしか、平和は実現しないと考えるからだ。


私は戦争がなければ、この世に存在さえしなかった。


そんな私が出自の憎しみを乗り越えて歌う歌や語る言葉を通じ、一人でも多くの人に平和の大切さが伝わればこれほどうれしいことはない。▲


■今日の誕生花
みやこわすれ
佐渡に流された順徳天皇が「この花を見ていると、都のことも忘れられる」といったという故事にちなんでなづけられた。
日本原産のキク科の花。


■今日の花ことば
◆憂いを忘れる
  
■今日の歴史:
◆1945年の今日、沖縄守備軍が太平洋戦中に80日以上の激戦の末、全滅した。
住民の3分の1に当たる、約10万人もの民間の犠牲者を出した沖縄戦が終結。


■今日が誕生日の有名人: 
◆筑紫 哲也 さん (ニュースキャスター) 1935年生まれの70才
テレビではまだまだお元気ですね! おめでとうございますう。


■今日の日記:
起床: 6:30
睡眠時間: 5時間30分


■昨日の日記:
◆夜7時、東京新宿の紀伊国屋ホールへ行く。
ダイヤモンド社刊、「ハッピーエンドのつくりかた」出版記念セミナーに参加。
講師は、著者の平野秀典さん。満席。
感想:
期待外れ。独りよがりで、一人ではしゃいでいる。
既存のイメージをもったメディアに頼りすぎている。
伝わりませんでした。「感動」しませんでした。
すてきな声をおもちなので、もったいないですね。


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