本日(6月26日)午後、
リニア中央新幹線のトンネル工事をめぐり
静岡県の川勝知事とJR東海の金子社長が
静岡県庁で初めて会談しました。
その中で、JR側は2027年の開業に
向けた本格的な工事の準備作業を始めることに
理解を求めましたが、川勝知事は県民の不安を受け止め、
水資源への影響に懸念を示しました。
大井川の源流となる南アルプスにおける
大規模なトンネル工事は、
水資源や自然環境に深刻な影響を与える恐れがあり、
多くの県民から不安の声が寄せられています。
私(当時、自由党所属)は、
去る2016年11月10日、参・国土交通委員会において、
リニア新幹線に関し反対の立場から質疑しました。
反対理由は以下の通りです。
1.利便性・快適性の観点から
品川駅、名古屋駅のホームは
地下30m~40mの大深度にあり、
地上との移動に時間がかかります。
万が一の事件・事故の防止に備えて手荷物検査を導入すると、
更に時間がかかります。
3大都市を1時間で結ぶと言いますが、
移動時間を含んでいません。
また、品川~名古屋間のなんと86%がトンネルです。
しかもトンネル内で高低差が1000mもあり、
時速500kmで4回上下します。
気圧差による耳鳴り、
トンネル内を走るジェットコースター、
決して快適とは言えません。
2. 安全性の観点から
①テロや自殺者が乗客を巻き込む事件が発生すると、
大惨事になります。
考えたくないことですが、
実際2015年、男がガソリンをかぶって自殺し女性が煙で死亡、
2018年、男が刃物を持って乗客を殺傷した事件など、
これらは新幹線内で起きた事件です。
②何らかの故障でクエンチ現象が起こると、
超電導状態は直ちに消え、
リニア新幹線は浮上することができず、
500kmで走行中の車両が側壁に激突したり、
地面に叩きつけられます。
③巨大地震の影響。リニア新幹線は、
新潟から静岡へ南北に走る複雑な地層の
フォッサマグナの中にトンネルを掘り突き抜けます。
フォッサマグナは南海トラフに接しています。
1930年、東海道本線の丹那トンネル掘削中に
伊豆半島北部で地震が発生し、
トンネルの地層が上下に2.4m、南北に2.7m移動しました。
3.環境問題の観点から
①静岡県民の水源である大井川の流量が、
1秒間に2トンも減ると予測されています。
山梨県の実験線でも水枯れの被害が報告されています。
②トンネル発掘による残土は、
全体で5800万平方キロメートル、諏訪湖とほぼ同量です。
残土の最終行場は決まっていません。
近辺に積み上げた場合、自然環境を崩すのみならず、
集中豪雨による土砂崩れ被害が発生する危険性があります。
③リニアは日本最大のウラン鉱床がある岐阜県東濃地域を通ります。その地域の日吉トンネル工事の残土から、
すでに微量のウランが検出されています。
4.経済性の観点から
工事の難航などで建設期間が遅れる可能性があり、
建設費が9兆300億円を上回ることが予想されます。
開通しても、今後、人口が激減することを考えると、
リニアの赤字は更に拡大します。
最近のIT技術の飛躍的な発展、
例えば医師が遠隔操作で手術ができたり、
8Kテレビや立体テレビ、バーチャルリアリティー技術の発展により
空間的距離を超えたビジネスモデルが拡充することは必至です。
この度のコロナ禍によるテレワークの進展も
その可能性を促進させます。
都市間の移動を飛行機で結んでいる国、
例えば米国などでリニア技術を展開すれば、
飛行機よりもCO2発生が少ないため、
環境負担を抑えることが出来ます。
【参考人質疑(2016年11月10日)】
川村晃生・慶應義塾大学名誉教授
クエンチは宮崎の実験線で14回起こっております。
山梨の実験線ではヘリウムの漏れという形で1回起こっています。
技術的にはかなり改良されているというふうに
聞いておりますけれども、
ともかく今42.8キロでやっているだけでありまして、
編成を多くして、それから286キロでやったときに
これが大丈夫かどうかという点については、
今後、私は長い長い時間を掛けての試験が必要であろうと思います。
地震についてですけれども、これはJR東海の説明会で、
私が地震は大丈夫なのかというふうにJR東海に
質問をしましたところ、
JR東海は、非常に不誠実な答え方ですけれども、
リニアは浮いているから大丈夫ですという答えでした。
こういう答えをするから信用されないんです。
大地震が起これば軌道もそれから側壁も壊れるわけですから、
幾ら浮いていたって、
浮いているがゆえに制御できなくなるということがあるわけですね。
こういうふうな説明の仕方でその都度
切り抜けているということ自体にJR東海の問題が
あるだろうと思います。
多重性防護とおっしゃいますけれども、
実は原発は多重性防護をしていたわけですね。
「私(当時、自由党所属)は、
去る2016年11月10日、参・国土交通委員会において、
リニア新幹線に関し反対の立場から質疑しました。」
当時の自由党所属で希望の会、
参議院国土交通委員会質疑の模様は
私のかすかな記憶ですと、
この写真かなと思います。
シェアさせていただきました。