デュッセルドルフに17年、ドレスデンに10年住んでいたけれど、この2カ所の滞在の間に
10年の間隙があります。東京に5年、大阪に5年・・・
こう書いてしまうと紆余曲折を認めざるを得ないけれど、私の中では極自然で特別のこと
ではなかった気がします。ドイツに戻るとホッとする感じです。
外国に住んでホッとする・・・母国から逃げたと言われても反発できないですね。
ドイツに長くいると、よっぽど時間が無い金持ちでない限り、自分で処理できる範囲で生活
するという考えが基本になります。
自転車に乗ること一つとってみても、日本の感覚とは違うんです。
日本だと1万5000円くらいでママチャリが手に入ります。それでも10年乗り倒して、錆が
酷くなって乗り捨てる・・・もう未練はありません。私みたいな人ばかりではないでしょうが、
ドイツだと自転車のステータスが高い、と言えます。
値段が高い、50年乗れそうに頑丈な自転車が売られています。大人の体重が100㎏超え
は普通ですから(笑)。それに車>自転車で、車中心社会ですから、自転車は買い物のために使うのではありません。荷台が無い・・・・
子供たちはヘルメットをかぶる規則があり、大人はお酒を飲んではなりません。飲酒運転で
罰金です。
日本のようにサスベーなど、絶対許されないですし、子供を前と後ろに乗せるなど言語
道断。自転車は車道の脇を走るのですから、一台に2人乗り、老人のフラフラ運転は
取り締まりの対象になります。
メンテに関してドイツ人は完璧主義者ですから(笑)パンク直し、チューブ交換は男女問わ
ず常識でやってのけます。フレームのみでも高い自転車を買うのですから、備品は趣味
で買い足していきます。高校生くらいから始まって、大学生の乗ってる自転車、私から
したら垂涎の的でした。カッケ――――お兄さん、シューズから泥除けズボンまで凝りだし
たら際限ないのです。
日本はそこまで自転車マニアを見ないのは、道路整備や地理的な要因もあるでしょう。
欧州が大陸続きでどこまでも道があり、大きな川沿いを国を超えて1000km走ることもで
きるのです。車より自転車が国民的乗り物とされるオランダ、ドイツ人も負けてはいない
です。
ドレスデンに住んでからは、デュッセルより明らかに古いドイツ人気質、職人気質を温存して
いることに感動。ただでさえサービス産業が広がらないドイツで、旧東ドイツにサービスを求
めるのはお門違い。
東の州の皆さんは、家電であれ自転車であれメンテはお手の物でした。家ですら、自分達で
修理、配管、配線まで、アナログの機械ものは仲間で修理してしまう。引っ越しだって同様、
友達の引っ越しを何回も手伝うのです。私、人生で22回も引っ越してますが、州内の引っ越しの場合、何回も友達にお願いしました。
そう、今回言いたかったことは、ドイツ人は自分達の処理能力が高いので、とサービス産業
が育ちにくい⇒需要が低いので、お金でサービスを買うまで値段がこなれない。一つ
一つのサービスが積み上げ式なので、クリアしなければならないタスクに、知識量が多い
ほど時間節約と金銭節約ができるということ、
逆に日本では、一切合切お任せサービスを受けた方が早くて安いことが普通です。
だから日本にいると事前に自分で理解しようと努力する必要ないし、代わりに何か起こった
らお手上げで、次のサービスを探すだけ。
なにのドイツに帰るとホッとするって変??
答えに直結しないけれど、自分の処理能力を向上させようという気になるのが嬉しくて、
手作業で学ぼうと思えば、学校行かなくてもそこらのオジサン、オバサンに聞けば何回でも
教えてくれましたし。切磋琢磨してる自分の時間が愛おしい・・・きっと努力をちょっと挟む
ことに自己満足があるんでしょうね。
日本みたいに便利な方がいいに決まってるのに、
便利を知らない国で、自分の処理能力の範囲で
生きることに意味を見出したいタイプに、ドイツはサイコーっ!
自分ペースで時間が回っていきます(⋈◍>◡<◍)。✧♡