父ちゃん | ぼうけんのしょ

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ひさしぶりに父ちゃんに会いたくなった。これは珍しいことではある。。えっ


父ちゃんは無愛想で、およそ人に気を使う、という発想がない。言うことは言うけど、本音丸出しでボソッと言う。

まずい料理屋に行くと、まずいなぁココ、と正直に言う。周りがとめても、気にしない。


医者をやっているので、人間をいつも客体として見ているからか、メンタルな部分で、フツーの心遣いができない。


だから、疲れているときには、疲れる相手だにひひ


いい年なので、そろそろ引退に足をつっこみながら、いまだに現役で、日本全国をまたにかけて(?)行脚している。


もともと放浪癖のある風来坊だから、ときどき(というかしょっちゅう)旅をしている人だ。


院長をやめてからは、あちらこちらの病院に行っては、ケンカしてやめている汗

本人は改革のつもりだが、相手にとっては余計なお世話だろう。それでも聞けば聞くほど、父ちゃんは正しい。

正しいけど、戦略はなにもないのが父ちゃんらしい。

若手の医師の心に火をつけては、ひどい病院から一緒にやめる気を起こさせたりしているあせる


さすがに、人に使われるには、もう無理な性格に出来上がっているから、タイヘンだろう。

使うほうも。使われる父ちゃんも。

ときどき爆発するのは健康にもいいけど、しょっちゅうだと血圧に悪いから心配だ。


大勢でいるのは好きみたいだけど、一人でいる空間が必要になるらしい。

毎週出かけないと気がすまない人だが、自分の城にこもる時間も、とても大事にしている得意げ


いばりんぼだが、権威をかさにきる役人や政治家が大嫌いだ。

本人のいばりんぼなところは、「見てみて!すごいだろおれ!」とほめてもらいたい小僧のようなもんだから、周りは苦笑しながらも付き合ってやるにひひ


意外と、男は黙って耐えるところもあるらしく、プライドの傷つく無神経な発言を繰り返しされると、さすがにキレる。その部分が母ちゃんには理解できず、私にしか、理解されていない。

キレ方がけっこう、すさまじい。


台風のように、荒れ狂う。


つもりにつもった不満を、一気に爆発させる。2年に1度か、3年に一度、大荒れに荒れる。

3ヶ月に1度ぐらい、小荒れに荒れる。


母ちゃんはもっぱら被害者だが、実は加害者であることを知っている私は、同情しつつも必ず小言を言う。


星占いでは、山羊座だけど、「火山座」という方が似合う。


荒れている父ちゃんは手がつけられないけど、唯一そんなときに話しかけるのは私の役割だった。

やっぱり遺伝子が似ているせいか、ツボがわかるんだ。

とはいえ、30以上差がある男の気持ちが分かるのは、こちらも大分年季をつんでからだった。


雨降って地かたまる、というように、噴火のあとは、静かにしている。


食べることと自分の時間を楽しむこと、それでも寂しがりだから、人の気配や何気ない会話をすること、すべてが父ちゃんの生きる糧だ。


旅や食べることや、自分の時間、写真をとったりパソコンで編集したりには、金にイトメをつけないけど、生粋の名古屋人である父ちゃんには、ムダづかいが許せない。


ハレの日に食べるものはドハデに。普段は、とても安くて質実剛健だ。


また、意外と新しいもの好きで、新素材の寝具、テレビ、新製品の携帯など、いつも身の回りのものを少しづつ最新型に変えている。携帯は、ついていることもしらない機能のほうが多いのに。この辺も名古屋人らしい気がする。


全身ズボラに見えるファッションも、実はブランド品とかも混ざっているが、よくよく見ると、ネームバリューとかには一切興味がなく、ひたすら好きな色・素材・着心地だけで選ぶ。

この間は、「ユニクロ」のトレーナーが気に入っていたかと思うと、超高級なブランドもののアルパカを「チクチクする」といって一切着なかったりする。


自分のサイズよりも、ワンサイズ小さいものを選ぶのも、クセのようだにひひ

その辺、わずかに虚栄心というものが、この人にもあるらしいことが分かる。


また、食にこだわりがある、というか、ひたすら食い意地が張っている。

とはいえ、添加物でごまかした味は食べないし、ムダに豪華なものは感動しない。

技術はないけど、自分で料理をつくるのも好きだ。

特に、名古屋人の誇り、土手煮のウデは、私も敬服している。

安い材料でうまいものを作ることに、真剣になるタイプの料理人だ。

まわりは「六三郎」の言うことには逆らわない方がいいよと、本人に聞こえるように言いながら、手伝ってやる。


海原雄山と、いいお友達になれそうだ。


少年らしさを持っている人は多いが、ウチの父は、娘の私から見ても、ワルガキの可愛らしさを全身に漂わせている。一応医者だから、人の生死に対面してきて、非常に沈痛な経験を重ねた重みも漂わせているが、ふとした瞬間に、なんつー純粋な顔をするのかと、あきれるぐらい純な笑顔をみせることがある。


およそ、純な人だ。


人を楽しませるのに、真剣になって計画を立てたり、その人の好みをじっくりと反映させた楽しみを用意したりして、知らん顔をしている。


父ちゃんを知ると、他の人の純じゃない人の心の動きが、非常に面白く思える。

実は、やりたいことをわがままにやって生きているからこそ、純でいられるんだな、と。

純じゃない心の動きを探っていくと、必ず悲しいものに行き当たる。


父ちゃんは、苦渋の選択をいくつもした、いい大人だけど、やはりそのままの味を持ち続けてほしい。


相棒は、やっぱり父ちゃんにその部分が似ている。

そんな風に、私の父ちゃんへの愛は、血に流れている。